Cubase スコア機能入門とタブ譜作成

今回は Cubase 6 のスコア機能の話です。

スコア機能を利用してみる

まず、スコア機能を一度も使ったことがない方のために、Cubase のスコア機能を使う上でのとっかかりをまとめておきます。 あの製品マニュアルを通して読むのはきついですものね。

スコア表示用トラックとデータ再生用トラックは分けた方が良い

既に複数のトラックが録音されていて楽曲演奏データとしては完成した状態のプロジェクト上でスコアを作るときのことを考えてみます。 特にリアルタイム入力で録音した場合に顕著なのですが、再生用データを綺麗なスコア表示するためにはそれなりの処理が必要となります。 ここで MIDI データに変更を加えず表示設定のみで何とかしようとすると手間が多くかかったり、最悪の場合、整形するのが無理だったりします。

ですので、このような場合は最初から録音済みトラックをコピーしてスコア表示専用のトラックをつくり、MIDI データの修正を行いながら楽譜を作っていく方が良いでしょう。 録音済み演奏データからスコアを作る際の注意点等はこちらの記事で詳しく説明しているので確認してください。

楽譜の設定は「レイアウト」単位で管理する

スコアを作るときの最初のステップは、スコア表示対象とするトラックを選択してスコアエディタを起動することです。 このトラックの組み合わせが新規の場合、スコアエディタを起動したところで (暗黙的に) 新規レイアウトとして登録されます。 この「レイアウト」の内容には選択されたトラックの組み合わせとそれに対する表記設定が含まれることになります。

現在登録されているレイアウトは「スコア」-「レイアウトを開く」コマンドで確認でき、ここからスコアエディタを起動することも可能です。
レイアウトを開く

このように複数のレイアウトを登録することで、1つのプロジェクト上でバンド全体のフルスコアとそれぞれのパート譜の表示設定を使い分けることができます。 レイアウト名は「スコア」-「設定」で表示される「スコア設定」ウィンドウの「レイアウト」タブ画面から変更することができます。

ページモードと編集モード

「ページモード」というのはいわゆる印刷レイアウト表示です。 「スコア」-「ページモード」でページモードと編集モードの間を切り替えることができます。 編集モードであればディスプレイ用に表示が最適化されますが、自分の好みで普段からページモードを使って編集を行っても良いと思います。 当たり前ですが、ページモードで正しく表示するには用紙サイズや向きなどを「ファイル」-「ページ設定」で正しく設定しておく必要があります。

スコア機能チュートリアル

製品パッケージ付属のクイックスタートガイドやチュートリアルビデオにスコア機能の説明はほとんどないのですが、以下のページからダウンロードできるガイドの3、4章が良いチュートリアルになります。

このドキュメントは Cubase 4 時代のものなので、Cubase 6 では一部ボタンの見た目が変わったり、メニューの構成が変わったり (気づいたところで「スコア情報を MIDI に適用」は「スコア」-「機能」メニューの一つとなっています) していますが、紹介されている機能はほぼ同じように使用できます。 4章まで終えれば様々な記号やコード表記もつけられるようになるので、最初のとりかかりとしてはよいチュートリアルになると思います。

ここまでを理解しておけば、後は必要に応じマニュアルを参照する程度で十分実践的な楽譜を作れるようになっているはずです。

タブ譜の作成

さて、いよいよタブ譜です。 アマチュアバンドだとやはり五線譜よりもタブ譜の方に慣れているプレイヤーが多いので、綺麗なタブ譜を用意できるようになると Cubase を活用する場が広がります。 今回はベース用タブ譜を作りますが、ギター用もインストゥルメント指定が異なるだけで同様に作成できます。

五線譜の作成

既に以下のようなベースパート譜が出来ているものとします。 先に挙げたガイドを操作しながら読んでいれば、この程度の楽譜を作成するのは何も難しくないと思います。
スコア1

タブ譜の作成

先に作ったベース用トラックから以下の手順でタブ譜を作成します。

  1. トラックを複製します。
  2. ベースのスコアは実際の音程より 1オクターブ高くなっているので、複製したデータをそのままタブ譜に直すと 1オクターブ高い譜面ができあがってしまいます。 ですので、複製したトラックをロジカルエディタで 1オクターブ下げます (-12半音)。
    オクターブダウン
  3. 元トラックと複製トラックの両方を選択してから、スコアエディタを開きます。
  4. 「スコア」-「設定」で「譜表」タブを選び、更にタブ譜用トラックを選んで「タブ譜」メニューを選択します。 表示された画面で「タブ譜モード」と「MIDI Ch.1~6」をチェックし、インストゥルメントは「ベース」にします。 このセッティングであれば、MIDI チャンネルにより明示的にどの弦を使うか指定することができます。
    スコア設定
  5. あとはスコア表示を見て、意図と異なる弦に表示されているノートに対し、MIDI チャンネルを設定します。 1弦=Ch.1、2弦=Ch.2、… と対応します。 Shift キー (Ctrl でもオッケー) +クリックを使って複数のノートを選択して、一気に変えることもできます。
    MIDIチャンネル

ここまでの操作で以下のようなタブ譜が出来上がります。

スコア2

いかがでしょう? スコア機能に馴染んでいれば、タブ譜作成も簡単だと思います。

Cubase は他にドラム譜も作れますね。 特にバンドでオリジナル曲をやっている方は、スコア機能を使えるようになると幸せになれると思います。 これまでスコア機能を使ったことが無い方も是非この記事をきっかけに挑戦してみてください。

なお、タブ譜には移調表示機能が効かないため今回は MIDI データを修正しましたが、五線譜表示の方を移調表示機能で「+12」にして作っておくと言う手もあります。 本来はこちらが正解なのでしょう。

Cubase 6 を買って2番目にすること

デモソングを聴こう!

「Cubase 6 を買ってまず最初にすべきこと」の続編です。 今回は何かというとデモプロジェクトの研究です。 デモプロジェクトはインストール用ディスクの以下のフォルダにあります。

\Cubase 6 for Windows\Addtional Content\Demo Projects

このフォルダにある「Cubase 6 – Live Forever」をハードディスクにコピーして「Live Forever Drums.cpr」を開きましょう。 Mac の場合はたぶん「Windows」を「Mac OS X」に変えたフォルダにあると思います。 まずは再生してビデオとサウンドを楽しみましょう。 この曲は Steinberg から YouTube 上でも公開されています。

プロジェクトの構造を把握する

このデモプロジェクトはオーディオトラックばかりなので MIDI データの打ち込み研究には使えません。 しかし、オーディオトラックに関してはかなりの部分を Cubase で音作りしているので細部を見るととても参考になります。

まず最初に見ておくべきはグループチャンネルトラックの使い方でしょう。 各トラックの出力先を把握して信号のルーティングを理解しましょう。 例えば「Bass Drum In」と「Bass Drum Out」は「Bass Drums」グループチャネルトラックに出力されています。 更に「Bass Drums」は「Drums」グループチャネルトラックに出力されています。 ドラムサウンドはこのように3段階でまとめられているので、どの段階でどのような EQ/エフェクト処理が行われているかを見ていくと面白いです。

ドラム関連

ドラムはマルチマイクで全部で 13本のマイクを使って録音されています。 バスドラとスネアについてはそれぞれにマイクを2本使っているので、人によってはこの部分だけでも楽しめますね。

音作りでは、EQ はもちろんですが、EnvelopeShaper の効果が面白いです。 私はこのエフェクトを使ったことがなかったのでとても参考になりました。

ギター/ベース関連

ギターは加工済みの音を録音しているトラックが多いですが、「Bass Guitar」と「Guitar Solo」は違います。 特に「Guitar Solo」はマルチテイクコンピング機能の使用例になっていますし、Cubase 6 の目玉である「VST Amp Rack」で歪み系から空間系までのエフェクトを使って音作りをしています。 これらをトラックプリセットとして保存すれば自分のプロジェクトで同じエフェクトを再現できますね。

ボーカル関連

ボーカルについてもバックグラウンドコーラスは加工済みトラックですが、リードボーカルについては EQ/コンプ/リバーブが Cubase の機能でかけられています。 これを聞いているとリバーブは RoomWorks で十分な気がしてきます。

更に遊ぶ

既に完成したミックスではあるのですが、自分なりにいろいろいじってみてマイミックスを作って楽しむと良いと思います。 ドラムはマルチトラックなので、スネアやバスドラの音を差し替えて遊ぶことが出来ます。 詳しくはチュートリアルビデオのチャプター8ですね。 シンセを重ねてみても面白いかも知れません。

というわけであまり巷で話題にならない Cubase 6 のデモプロジェクトを紹介してみました。 私の場合、曲そのものを結構気に入ってしまいましたが、ミュージシャンの名前がわからないのが残念です。

「弱い日本の強い円」

円高傾向が続いている為替相場ですが、経済ニュースに書かれている「市場関係者」のコメントから動きを理解するのは難しいです。 そんな中、某所で薦められていた「弱い日本の強い円」を読んでみたところ、大変読みやすくとても参考になりました。 著者は人気 FXストラテジスト佐々木 融氏です。

以下、本書で指摘されているポイントについての私なりの箇条書きです。 気になることがあったら是非本書を手に取ってみてください。 もし、あなたが FX取引に手を出そうとしているならば、その前に読んでみましょう。

  • 為替レートは国力で決まるわけではない。経済成長率の低下や人口減少で円安にはならない。
  • ドル円相場をコントロールできるようなプレイヤーはいない。
  • 為替の動きを理解するには米ドル/円だけ見ていても不十分で、クロス円の動きをとらえなければならない。
  • 為替相場にとって、中期的には貿易収支が重要。長期的には主に物価上昇率の差で相場の動きが決まる。
  • 製造業の海外移転が進めば貿易収支は赤字になり得るだろうが、所得収支は簡単に減らないと思われるので経常収支が赤字になることは簡単には起こらない。
  • 貿易収支が黒字であれば円買い要因になる。この動きはフローなので為替レートに「織り込み済み」となることはない。
  • それぞれの国によって経済構造が異なるので、同じような震災があってもその後の為替の動きは異なる。
  • 景気が悪くなると円高傾向となり、良くなれば円安傾向となる。
  • 日本の祝日には円高が起こりやすい。(この年末・年始もその傾向が出ていたように思えます)
  • 「基軸通貨」とは決済等で用いられることが最も多い通貨のこと。 ドル安だろうが基軸通貨としての米ドルの地位は揺るいでいない。人民元が基軸通貨になるかどうかは議論する前の段階。
  • 円売り介入の効果は少なく、積み上がって行く外貨準備高の問題の方が大きい。
  • 日本全体の企業収益にとっては、いまや米ドル/円よりも円/ウォン相場の方が重要。

2012年 ブログはじめ

振り返ってみると、過去に新年っぽいエントリを書いた年はほとんどなくて、強いて言うなら 2009年のがそれっぽいかなあ、という感じです。 なのでたまには良いかと思い、新年らしく今年一年をどうやっていくかを考えながら書いてみます。

ブログ

昨秋、hetarena.com を立ち上げてブログを引っ越してきたわけですが、移転直後は頑張って記事を書いたものの年末に近づくにつれて記事が書けなくなってしまいました。 移転してしばらくは旧 FC2 ブログからこのサイトへリダイレクトさせていたのでその間の hetarena.com へのアクセス数はまあまあだったのですが、リダイレクトを止めるとアクセスは旧ブログの方へ戻ってしまいました。 当面の目標は記事を増やして旧ブログのアクセス数を超えることです。

昨年 7月まで携帯電話は電話+メール程度しか使っていなかったのですが、スマホに変えてからは Web 情報閲覧や RSS 購読はもちろん GPS やら FeliCa やら色々な場面で携帯端末を用いるようになりました。 携帯端末で Web ブラウジングをするようになってやはり感じるのは、携帯端末は携帯端末用に最適化されたサイトでないと記事を読みにくいということです。 なので、自分のブログはスマホでの見やすさも追求していきたいと考えています。

ガラケー向けについてはごめんなさい。近いうちに (少なくともアクセス数は) 消えて行くものと思っているので、対応の優先度はかなり低いです。 ガラケーで閲覧すると細かい点が気になるかも知れませんが、きっとそこまで手が回らないです。ご了承ください。

同じことを言っている人はたくさんいる様な気がしますが、ブログ記事ネタを考えたり、メモを作ったりというところまでは行くものの、なかなか記事として完成できず、そうこうするうちにタイミングを逃したりしてしまいます。 前回記事から間が空くと、次の記事は簡単に済ませられないような気がしてきてネガティブスパイラルに陥るので、軽量な記事でも良いからサクサク書いていくようにしたいと思います。(できるかなー?)

SNS

現在ブログの他には Twitter と Facebook ならば使っていると言っても良い状態だと思います。 Mixi はほとんど休眠状態で、たまに Mixi 中心に活動している友人の近況を知ったり連絡を取ったりするために使います。 つぶやきが一定期間経つと消えるという仕様は私には合わない気がしますし、クローズドなところで何かしたいならば Facebook でやるだろうな、という感じです。

で、その Facebook なのですが、Facebook 上の友人は会社の人も多く、仕事で顔合わせたりしているとオンラインはもういいだろ、と考えてしまうような性格なので、きっとそれほど活発な活動にはならない気がします。 とは言っても大学時代や前職時代の旧友もそれなりにいるので、消息が途切れることのない程度にやっていきたいと思います。

Twitter に関しては平均 1ツイート弱/日程度で細々とやっています。 follower を増やしたいとも思っておらず、ブログに載せると今一つだけど Twitter の中ならばマシに見える程度のことを呟いてゆく予定です。 その程度でも自分で読み返すと面白かったりするので良いのです。

音楽関連

バンドはキーボードプレイヤーに戻って頑張ってゆくつもりです。 実家からいろいろ掘り出して持ってきたところですし (詳細は追々)。 シンセ音作り関連ブログ記事も増やしたいです。

それと今年はソロ活動(!)もやってみたいです。 社会人バンドはやはりそれなりのペースでしかできませんが、ソロ活動ならば時間を工夫して何とかなるかな、と。 Core i5 のパソコンと広いディスプレイを新調し、DAW 環境はとても快適になったのであとはやる気のみです(爆)。 人前に出せる程度のものを何かしら作りたいです。

さらにブログについて&まとめ

hetarena.com を立ち上げて WordPress についてもそこそこノウハウが溜まってきました。 今はまだ運営ブログの方で自分のメモ書き程度に書いているだけですが、そのうち整理して hetarena.com の記事にできたらと思います。

WordPress だけでなく、その他の IT系の記事も続けるつもりですが、最近はネタにしにくい仕事が多いのでまあボチボチと、という感じです。

固定読者がほとんどいないのを良いことに今年も的を絞らずいろいろな分野の記事を書き散らかして行きます。 このエントリもまさにそれを暗示するようなまとまりのない文章になってきましたが、もしこのサイトに興味を持っていただけたのでしたら RSS フィードを登録したり、Twitter で @blogger323 をフォローしたりしていただけると嬉しいです。

本年もどうぞよろしくお願いします。

RPG を作るには

ちょうど良い本があった

小二の息子と本屋に行くと「ゲームの作り方の本が欲しい」と言い出しました。 ゲームと言ってもボードゲームやらカードゲームやらいろいろあるよなあと思い、話を詳しく聞くと「ドラクエみたいなの」と言うではありませんか。 うちには DS が無く、ドラクエをプレイしたことも無い (なのできっと RPG を知らない…) のですが、何かを作ってみたいという意欲は買うことにしました。 店舗設置の検索端末で探してもそれっぽいものは出て来ませんでしたが、とりあえずコンピュータ関連フロアのゲーム関連コーナーに出向いたのです。

で、めあての本棚にちょうど 11月に発売された「まさにコレ」という感じの本を見つけたので購入しました。 それがこの「WOLF RPGエディターではじめるゲーム制作」です。

本書は WOLF RPG エディター (通称:ウディタ) というフリーの RPG 作成ツールの公式ガイドです。 チュートリアルの第一部と網羅的な解説の第二部で構成されています。 多少でもプログラミング経験がある人ならば、本書を読みながら簡単に (昔のドラクエのようなシステムの) ロールプレイングゲームを作り始めることができます。 グラフィックや音楽の素材も付属 CD に含まれ、「これらを用いて作ったゲームを、インターネットで配布することも可能」とのことです。 とは言っても、シナリオを考えたりアイテムや登場人物のパラメータを調整したりマップを作成したりしなければならないので、みんなに楽しんでもらえるようなゲームを作るにはそれなりに手間がかかるでしょうね。

それでも操作は簡単で扱いやすく、好きな人にはたまらないと思います。 実際、息子も親の手を借りながら楽しんでマップやイベントを作っています。 パラメータのバランスがメチャクチャですが、登場人物にしゃべらせる言葉を考えたり、自分のゲーム内だけのアイテムを考えたりするのは楽しい様です。

これだけでは何なので、本書であまり取り上げられていないけれどゲームを効率良くつくるために重要そうなところを挙げておきます。

  • マップの部分コピーは右ボタンドラッグでコピー、左ボタンクリックで貼り付け。 貼り付け時に Ctrl 押しながらでレイヤー1/2/3 をまとめてコピー。
  • Shift+Ctrl+矢印キーでマップをずらすことができる。
  • イベント処理で関数/マクロっぽいことをしたかったら「コモンイベント」を使う。 「表示」-「コモンイベント」でエディタが起動。

フリーで公開されているツールであり、必要な情報も Web 上で見つけることはできますが、効率良く「ウディタ」を理解するためには良い本だと思います。

どうでもよいことですが、今年のサンタは息子に DS と漢字練習ソフトを贈ってくれるようです。 小二になると DS を持っていない子を見つける方が難しい状態らしいです。

安価な練習用ミックスダウン素材の入手

「勢いで DAW ソフト買ってみたけど、曲なんてすぐ作れないし…。」みたいな方も世の中にはいるような気がするのですが、そんなときにとりあえずミックスダウン (最近はトラックダウンって言わないね) の練習から始めてみるのはアリだと思うのです。 いや、けっしてミックスが簡単と言うつもりはないですが、ソフトの使い方わからない上に曲作りの経験もないという状況であれば、まずはミックスダウンの練習をしてDAW ソフトの操作/信号の流れ/エフェクターの種類を覚えるというのは初めの一歩として踏み出しやすいのかな、と。 DAW ソフトを買うだけでいきなり立派な作品を作れるようになるのであれば、誰も苦労しないのです。

その時ミックスダウンの素材はどうするかという問題があるのですが、安く手に入れる方法はあります。 サンレコの素材付きの号を購入すれば、千円強で手に入れることができます。 実は今月号 (2011年12月号) も素材つきで、更にこの素材を使ったミックスコンテストも開催されていたりします。

素材という点では今月号は 1曲分ですが、昨年のミックスダウン素材付き号 (2010年12月号) は2曲入っていました。 まあ、曲の好き嫌いはあると思いますが、純粋にミックスの練習ということでは数が多いに越したことはないでしょう。 ミックスダウン解説特集としても昨年の記事の方が初心者向きに思えます。 もしこの号を購入するのであれば、Cubase 使いの方は合わせてこちらの記事を参照してみてください。

お約束 (?) なので、今月号特集に関しても Cubase でやる場合のヒントを書いておきます。 Cubase 6 を想定していますが、MixerDelay 以外は Cubase 5 でも利用できます。

  • 位相の反転は「オーディオ」-「処理」-「位相の反転」でオーディオ処理するか、エフェクトプラグイン「MixerDelay」を使うことで行うことができます。
  • 無音部分のカットは「オーディオ」-「高度な処理」-「無音部分の検出」でできます。
  • 「Maximizer」プラグインや「DeEsser」プラグインもあります。一応ね。

それと DAW ソフトのデモ用楽曲をいじってみるという手もあります。 Cubase 6 には「Live Forever」という素晴らしいデモプロジェクトが付属しています。 (2012.1.9 追記)

まあ、この辺はせっせと手を動かして覚えていくしかないと思います。 私はどちらかというとミックスの練習よりは楽器弾く練習の人なのでミックスの気のきいたノウハウは書くことができませんが (爆)。

au Eメールの自アドレスが電話番号表示で気になった、他

受信メールの宛先に自分の携帯番号が表示されている

au の Xperia Acro (IS11S) を使っていますが、「Eメール」アプリで自分宛のメールの To 欄を見たときに携帯電話番号が表示されているのが気になっていました。 ひょっとして、私の出した From には電話番号が表示されていて、誰かれ構わず携帯電話番号をバラまいてしまっているのではなかろうかと心配になったのです。

しかし、実際にはそんなことにはなっていません。 自分宛のメールの To は自分の連絡先情報が表示されているに過ぎないのです。

というわけで、「電話帳」アプリでリストの先頭にある「自分の連絡先」に名前を設定すると Eメールアプリで見た時の To 欄は全て名前で表示されるようになりました。

Facebook 同期エラー

「Facebookを同期できませんでした」というエラーが頻繁に出ていましたが、これは「設定」-「アカウントと同期」で Facebook との同期を OFF にすることで出なくなりました。 同期する設定にした覚えがないのですが…。

その他に一旦ログアウトしてみると解消されるという情報もあります。 同期したい場合はこれを試すのが良いのでしょう。

新しいメッセージの表示

11/7 のバージョンアップ後、キーロック解除画面で「新しいメッセージ:1件」と表示されるのにステータスバー/通知パネルには何も表示されていない、という状況が続きました。 Web 検索すると、同じような経験をしている人もいるようです。

で、私の場合は「Cメール」アプリを起動して確認したところ、未読扱いのメールが 1件あり、これを既読にすると出なくなりました。

アプリ更新通知もうるさいな

アプリの更新は頻繁なので、「利用可能なアップデートがあります」という通知がうるさく出ます。 これを止めるには「マーケット」アプリのメニューから「設定」を選び「通知 ダウンロードしたアプリやゲームのアップデートを通知」を OFF にします。

まあ、いろいろなことがありますね。

Android で画面キャプチャ (Xperia の場合)

iPhone はボタン一つで手軽に画面キャプチャできるのに、Android 端末で画面キャプチャをするには SDK やら JDK やらが必要でした。 比較的そういった開発系環境の導入に抵抗の少ない私でもやる気がおきませんでしたので、躊躇していた人は多いのではないかと思います。 しかし、Xperia についてはもう面倒な環境を用意する必要はありません。

ドコモの Xperia シリーズ 4機種は 11/7 から、au の Xperia acro (IS11S) は 11/10 から機能バージョンアップが提供されています。 いろいろな機能が追加されますが、スクリーンショット (画面キャプチャ) 機能も今回のバージョンアップで使用できるようになるのです。

スクリーンショット機能の使い方はキャリアのサイトではなくソニー・エリクソンのサイトの方で詳しく説明されています (リンク先は au 端末の説明)。 電源ボタン長押しからメニューを選んで実行するのです。 これで気楽にブログ記事に画面を貼り付けられるようになりました。 というわけで、私のホーム画面を紹介しておきます。 最初はセンター画面のみと思いましたが、フォルダ表示が変わっていたので隣の画面も載せます。
Xperia Home New Folders

このアップデートで Android バージョンは 2.3.4 になります。 IS11S をアップデートしたのですが、バッテリー残量が 50% を切っていると ACアダプターを接続していてもバージョンアップの実行ができませんでした。 バージョンアップ中は何度も何度も再起動されますが、放っておけばやがて更新されたシステムが起動してきます。

バージョンアップ内容をよく見ると、

スリープモード解除後に既読の不在着信通知が再表示されてしまう不具合が改善されます。

なんていうのもあって、そう言われれば表示が怪しいときがあったことを思い出しました。 Xperia ユーザはバージョンアップ内容をチェックしてみましょう。

音感を鍛えよう

大きな声では言えないのですが、実は音感が今一つなので今更ながら耳を鍛えることにしました。

「大人のための音感トレーニング本」

そこで買ったのが「大人のための音感トレーニング本」です。 この本について簡単に紹介します。

この本は 4つの章で構成されます。 第1章は音楽理論ですが、それなりに理解している人は 1-1 と p.24 あたりの「♯や♭が付いた音の呼び方」を読むぐらいで、後はざっと眺める程度で良いように思います。

第2章はコードの中でその音が何度の音になるかを聴き取り、ハーモニー感覚を身につけるための章です。 譜例は記載されていますが付属 CD に音源は含まれないので、自分で音源を探すなり、コード+メロディを弾くなりして確認せねばなりません。 最終的には自分のお気に入りの曲を分析するぐらいでないと感覚はつかめないような気がします。 私はまだトレーニングができてませんが。

で、1、2章はサラリと流してしまった私が力を入れているのは 3章の付属 CD を使ったトレーニング部分です。 3音の聴き取りをランダム再生で行うと、最初の頃はよく凹んだものです。 しかし、通勤/通学中などの空いた時間でちょっとずつでも根気よく続ければ、必ず聴き取れるようになります。 個人的には 5度-4度と 4度-4度の聴き分けが苦労しました。 テンポはゆったりしているので、ランダム再生に加えて再生速度を速くできる音楽プレーヤーを使うと良いと思います。

4章は応用なので、私にとってはまだまだこれからです。 先は長いですね。

音感マスターツール「音感トレーニング」

もう一つ使っているのはオンラインのサイト「音感トレーニング」です。 白鍵は大丈夫なのですが、黒鍵が入るとダメです。 息子に負けないよう、これも継続して取り組み中です。

結局、このあたりは実践あるのみで、あきらめずに続けることが重要だと思います。 すぐにはできないという人が多いでしょうが、数カ月単位で取り組めば必ず力がつくはずです。 音感があれば、それだけで良い演奏や良い曲ができるかというとそれは違うと思いますが、あった方が便利なのは確かだと思います。

Cubase 6 のテンポ検出機能を使う

Cubase 6 の新機能にテンポ検出機能があります。 以前からのタップテンポ機能も使えますが、テンポの変化がない曲はテンポ検出機能を使った方が早くテンポトラック作成を終えることができると思います。 しかし、実際に使うには多少慣れが必要なので、そのへんをまとめたいと思います。

まずはやってみよう

まずは実際にオーディオ素材を使ってテンポトラックを作ってみましょう。 「ファイル」-「読み込み」で「オーディオファイル」や「オーディオ CD」を実行してトラックにオーディオファイルを読み込み、このオーディオイベントを選択します。 各トラックは「リニアタイムベース」にしておきます。
リニアタイムベース

続いて「プロジェクト」-「テンポの検出…」を選びます。 このメニューが有効化されていないときは、きちんとオーディオイベントを選択しているか確認しましょう。 下図のダイアログボックスが表示されます。
テンポ検出パネル

ここで「分析」を押すとテンポ検出が始まり、オーディオファイルに合わせたテンポイベントが作成されます。 ただし、これだけだとうまく行かないことも多いので、「倍のテンポへ」他のボタンで調整します。 テンポの大きな変化がない場合は「テンポをなめらかに」を有効にしておきましょう。 拍は 1/4 で検出されるので後で手作業で修正することになります。

うまく検出できていない部分については手作業で直しますが、テンポイベントをずらすとその新しい位置によって後続のテンポイベントの位置が再計算されます (ただし、新しい位置がツボにはまった場合のみ)。 オーディオファイルの冒頭部分を修正する場合は、方向を変えて先頭に向かって再計算させることもできます。 右下の左向き矢印を押せば先頭に向かって再計算します。 なお、テンポイベントの調整はテンポ検出パネルを表示させたまま行います。 消してしまうと再計算されません。
再分析の方向

ちなみに左下の矢印は分析結果のリセットボタンなので気をつけましょう。

後からリズム隊が入ってくる曲の場合

イントロ前半は白玉シンセパッドのみ、みたいな曲 (今回、例として使用したのは葉加瀬太郎「ひまわり」) だとイントロ部分でテンポを検出できなかったりします。 こんなときの修正方法を説明します。

まずは先程の左矢印を使って可能なところまで再計算します。 ただ、自動分析した結果が限界でそれ以上は分析できないということもよくあります。 調整できるところを全て済ませ、「もう再計算しても無駄」という状況になったら次に進みましょう。 分析できていない部分の小節を、適切なテンポを計算し手作業で挿入するのです。 なお、拍子は 1/4 のまま手順を進め、最後に 4/4 にします。

最初に必要な情報は 2番目のテンポイベントの位置です。 1番目のテンポイベントはトラックの頭にあるので、その次のイベントの位置を読むということです。 (図ではカーソルが表示されていませんが) カーソルをイベント近辺に置くと下図のように表示されます。 今回の場合は 6.647 秒の位置にあります。 テンポ検出パネルはここまでで閉じます。
2番目のテンポイベント

続いてオーディオを再生してこのテンポイベントが何拍めかを確認します。 今回は 3小節目の 2拍め (4/4 拍子) だったので、2×4+2=10拍めということになります。

続いて 1拍めの位置を確認します。 通常オーディオファイルの開始≠ 1拍めだと思いますが、この 1拍めの位置を確認するのです。 やり方としてはオーディオトラックの波形を見ながらマーカーをつけて位置を確認します。 あらかじめスナップオフしておきましょう。
1拍目の位置

ルーラーを「秒」表示にするとマーカーの位置も秒で確認することができます。 最初の拍は 0.240秒であることがわかります。
マーカー

さて、挿入する小節とそのテンポを計算します。 まず先程数えた拍数より小節は 1/4 の小節を 10小節 (=10拍分) 挿入します。 そして、最初の 1小節 (=1拍) の長さは 0.240 秒なのでテンポは、

  60 ÷ 0.240 = 250

となります。60秒間に 0.240秒がいくつあるか数えればテンポになりますね。 続く 2小節~10小節 (=9拍分) の長さは 6.647-0.240=6.407 なのでテンポは以下の通りとなります。

  60 ÷ (6.407 ÷ 9) = 84.283

ここまで計算できれば後は小節とテンポイベントの挿入をすればよいです。 まず、10小節分のテンポの挿入します。 テンポトラックの小節処理ダイアログボタンをクリックします。
小節のテンポ処理

開始:0、長さ:10、拍子:1/4 で小節を挿入します。
小節の挿入

一度だけ「処理を実行」してから「閉じる」を押します。 オーディオトラックが小節の挿入によって後ろにずれていると思うので、(スナップオンしてから) ドラッグして元に戻します。

続いて、先程計算したテンポを使ってテンポイベントの調整です。 最初 (トラックの頭) のテンポイベントのテンポを 250 にします。 続いて2小節の頭にテンポ 84.283 のイベントを新たに挿入します。 トラック上に鉛筆ツールを使ってテンポイベントを挿入してからインスペクター上で数値を修正します。
テンポ調整

ここまででイントロ部分含めたテンポトラックが作成されました。 最後に 2小節目の頭に 4/4 の拍子イベントを挿入すれば完成です。 1小節目は時間調整のための 1/4 の小節になっています。

まとめ

長い文章になってしまったので、見ると面倒くさく思えるかも知れませんが、慣れればどうということはありません。 それでも、計算するぐらいならばタップテンポを使う、というのも良いでしょう。 実際のところ、テンポの変化が激しい場合はタップテンポを使うのが現実的な気がします。

私は MIDI シーケンサー (ヤマハ QX5) からこの道に入ったので MIDI を扱う場合は最初にテンポを決めるというのが当たり前でした。 しかし、子供が Piano Diary に自分の演奏を録音して音色を変えて楽しんでいるのをみると、自由なテンポで MIDI 録音という世界もあると改めて気づかされました。 Cubase のテンポ検出やタップテンポ機能はそのような使い方の強い味方になってくれると思います。