初心者のコピーバンドがより良い演奏をするためのヒントをまとめてみました。
一部以前の初心者向け記事とかぶりますが大目に見てください。
[個人練習編 - スタジオに入る前の個人練習でのポイント]
・メトロノームを使って練習する
コピーするときは CD 等の音源を再生してそれに合わせて練習する方も多いと思います。
音源に合わせて練習したもののいざスタジオに入ってみると、「他のパートと合わない」、「弾いている位置を見失った」等のことが簡単に起こります。
カラオケでメロディーの無い伴奏だけだと練習していない歌は歌うのが難しかったりしますよね?
それと同じで、音源に合わせての練習だけだと不十分なのです。
しかも、他の初心者メンバーが CD 通りに弾いてくれるとは限りません。
というわけで家で練習するときは必ずメトロノームを使いましょう。
そもそも初心者がメトロノームで練習しておかないとハシったりモタったりしてしまうはずです。
・ テンポを変えて練習しておく
初心者はもちろん、経験十分なはずのドラマーもハシることはあります。
テンポが速いから弾けなかったと言い訳する前に走ったときにも対処できるように練習しておきましょう。
具体的には普段よりメトロノームのテンポを上げた練習もしておくのです。
「CD よりテンポが上がったら弾けない!」というフレーズは、どう端折って弾くかを予め決めて練習しておきましょう。
そうすればステージ上で心穏やかにいられますし、走ってしまったメンバーにも心温かく対応できます。
また、しっくり来ない/弾けないフレーズは逆にテンポを落としてじっくり練習することが必要です。
[スタジオ練習編 - スタジオに入った時の注意点]
・練習は録音する
初心者のうちはスタジオに入って合わせて見たけれど何だか気持ち悪い。
でも具体的に誰が悪いかわからない、ということが良く起こります。
場合によっては弾いている本人は気持ち悪さに気付かないことも。
なので、練習は必ず録音しましょう。
練習後に自分達の演奏を客観的に聞いて何を直せばよいかを考えることはとても大切です。
スタジオ備え付けのレコーダーで MD録音、というパターンもあるかも知れませんが、最近の PCMレコーダーであれば、持ち込んで練習中2時間回しっ放しということできるのでお気楽です。
ちなみに私はソニーの PCM-D50 を使ってます。
・リハ順を予め決めて時間を無駄なく使う
曲間が空いて時間を無駄にした、ということを避けるようにしましょう。
これを意識しておかないと、録音したものを後で聞いて愕然とするかも知れません。
[コピー編 - 楽曲をコピーするためのヒント]
・100% コピーだけがゴールでない
バンドというのは難しいフレーズをテンポを無視しながら弾くよりも、うまく端折ってドラムに合わせて弾く方がずっとうまい演奏に聞こえるのです。
(端折り方にもセンスが問われるわけですが、まあそれは次の話)
レコーディングでは通常サイズのバンドで再現不可能な程多数のパートが重ねられていることが多いので、「何が何でも音源の通り再現する」というよりも「うまくバンドとしてまとめる」という方向を目指した方が幸せになれると思います。
・買ってきたバンドスコアを信じ過ぎない
経験を積むと段々わかってくるのですが、市販されているスコアは結構いい加減です。
確かに「よくぞここまでコピーしてくれた」という譜面も存在するのですが、「何か違う」、「何か足らない」ということは日常茶飯事です。
譜面の通りに弾いているはずなのに音源のように聞こえないという時は自分の耳を信じ耳コピしてみましょう。
初心者のうちはやっぱり自分で耳コピしたものよりも譜面の方が正しかったということも起こりそうですが、それはそれで経験になるのです。
特にエレキギターのチョーキングをはじめとするテクニックの数々やシンセのベンディング、フィルタースウィープ等は音源を良く聞かないとニュアンスが掴めないと思います。
当たり前なのですが、音源を良く聞くことは重要です。
・どのフレーズが大事かを考える
音源を聞いてみると「最初から最後までこの楽器が主役」という楽曲は少なく、その瞬間瞬間で主役が入れ替わっていくものが大半だと思います。
今誰が重要なフレーズを弾いているかを意識することは大切です。
他の誰かが主役であればそのパートを引き立てるように演奏しなければなりませんし、場合によっては皆が主役というタイミングもあるかも知れません。
また、多数のパートが重なって自分達のバンドでは再現できないような時も、どのパート・フレーズを残せば雰囲気がでるかを考えなければなりません。
このあたりはセンスの問題です。
・コード進行を意識する
コードバッキングではなくオブリガートなど担当するとそのフレーズは覚えるもののなかなかコード進行は覚えません。
本当はコード進行を覚えて、できれば、調性とコードの役割 (トニック、サブドミナント、ドミナント等) を意識できると良いです。
なかなか難しいですが。
・コミュニティを利用しよう
経験を積めば「ワウペダルを使っている」とか「フィルターでスウィープさせている」ということがわかるようになるのですが、初心者のうちはどうすればこの音が出るのかわからないことが多いでしょう。
そんな時はプレーヤー向けの各種掲示板やコミュニティサイトを活用しましょう。
聞き方さえ間違えなければきっと親切な誰かが答えてくれるはずです。
どの曲のどの部分のどのフレーズかがきちんとわかるように説明しましょうね。
・練習に役立つ道具をそろえよう
速いフレーズの耳コピにはスロー再生できるデバイスが必須ですね。
それに加えて、例えば DR-07 というレコーダーでは、音源再生時にキーを変えて再生できる他、1セント単位でピッチを微調整して再生することができます。
ギターの半音下げチューニングが必要な場合はもちろん、合わせて練習するには何故かピッチの微調整が必要な音源もあって、そんな時は楽器のチューニングを変えるより再生ピッチを変えた方が楽です。
再生時のスピードを変えることは多くのモデルで出来ますが、ピッチ変更をできる機器は多くないと思います。
(PCM-D50 もスピードしか変えられません)
上位機種の DR-1 ではこれらの機能に加えてメトロノームやチューナー機能までついています。
TASCAM のリニア PCM レコーダーはバンドプレイヤー向けですね。
・著作権にも気配りを
難しい話は割愛しますが、コピーバンドが公開の場でライブ演奏をする場合はライブの主催者に必要な著作権処理がなされているか確認する必要がある、ということは覚えておきましょう。
(ちょっとだけ難しい話をすると非営利で観客から料金をとらず無報酬な場合は許諾不要です。無料でも商業的な宣伝等の効果を狙ったライブは営利目的となるので著作権者の許諾が必要になります)
自分のホームページに録音した演奏を公開するのも著作権処理が必要です。
・楽しむ気持ちを忘れない
結局バンドは楽しんでナンボの世界だと思います。
特にライブ演奏は「なんか楽しそうに演奏している」というのが重要です。
演奏を楽しむ気持ちを忘れないようにしてください。