娘が生まれた日

6:00
妻が早くからごそごそしていたので、何かと思えば破水したとのこと。5:30 頃のことらしい。 予定日は1週間程先だったので焦る。陣痛はまだ来ていない。前回は陣痛が先だった。

「破水」と聞くと一刻を争うのかと思ってしまうが、水の量は少しずつで最初は「ちびったのか?」と思ったそうだ。 不謹慎かも知れないけれどスローパンクチャーをイメージしてしまう。

8:00
妻が病院に向かう。

9:45
息子を保育園に送り、勤務先に休暇の連絡を入れてから自分も病院に。 大きな病院で産科は初めてのため勝手がわからず、あちらこちらの窓口を行ったり来たりと手間取った後やっと妻の居場所にたどりつく。

11:30
全然陣痛の気配がないので応援に駆けつけた母と共に一旦食事のために帰宅する。

14:30
再度病院に到着。まだ陣痛の気配がない。

17:00
前回が帝王切開なので陣痛促進剤は使えないとのこと。長丁場になりそうなのでまた一旦帰宅する。

20:15
息子と遊んでいるところへ病院より電話が入る。陣痛が始まったとのこと。 出産前の家族呼び出しは本人が電話をする規則ということだったが、電話をかけてきたのは助産婦さん。 多少不安になる。

後から聞いたところ、18:00 頃から陣痛が始まり、あれよあれよと言う間に進んで電話をするどころではなくなってしまったそうだ。

21:10
病院到着。既に間隔も短く痛みも重そうだ。 陣痛が来たときはお尻を押さえると多少痛みがやわらぐそうで、とりあえずその通りにする。前回もそうしたっけ。

21:40
妻が分娩室に向かう。自分は控え室に待つ。

23:30
時間が経っても何も起こらない。不安になり様子を聞いてみると思ったより時間がかかっているとのこと。 特に問題はなさそうなので腰をすえて待つことにする。

24:00
ウトウトしていたところに産声がかすかに聞こえる。分娩室に入っているのは一人のようなのでうちの子らしい。 力強い泣き声だった。ただし、しばらく呼ばれる気配はない。

24:20
やっと呼ばれて分娩室に入る。 「どうやら女の子らしい」とは言われていたけれど、本当に女の子だった。 顔は息子の赤ん坊の時そっくりで娘というよりも息子の妹という感じ。 4年前に戻ったような気がしたけれど、サイズだけは息子と一回り違って体重 2,700g 弱。 小柄な妻なのでよく小さいうちに出てきてくれたと思う。

出血が完全に止まったことを確認しないと分娩室は出れないとのことで、しばらく分娩室の中に家族で過ごす。

26:20
妻子がベッドに移動し落ち着いたところで帰宅。長い一日だった。


恐らく少数派に属すると思われる今回の妊娠・出産の特徴は、

  • 破水が陣痛より先に来た
  • つわりが出産直前まで続いた
  • 帝王切開した後でも無事自然分娩できた (VBAC)

というところです。同じ産婦であるにも関わらず前回と比べてつわりの様子も出産前後の様子も全く違います。 きっと世の中には思ったよりもずっと多くの妊娠・出産のパターンがあるのでしょう。だから妊婦さんは不安になるのですね。

前回が帝王切開なので、通院当初は9割がた今回も帝王切開になるだろうと言われていました。 息子の時も自然分娩を目指したのですが、大きすぎて出て来れず、さんざん陣痛に苦しんだあげく帝王切開することになり、 妻はヘロヘロになっていました。そうして前回頑張った分だけ子宮口は開き易かったようです。

VBAC はリスクがあるという説明は病院から受けていたのですが、実際にそれを実感したのはこちらのサイトを見つけてからです。辛い体験を皆に役立つ情報としてまとめてくださったこのサイトオーナーの方に敬服致します。 帝王切開での経産婦さんのパートナーもきちんとこれらのリスクを理解しておく必要があると思います。

既に母子とも退院し、家族4人の生活が始まっています。 会陰切開の後が痛むけれど帝王切開より自然分娩の方がずっと産後は楽と言っております。 今月で息子も4歳になりました。子供ネタが続くかも知れませんがご了承を。

切符を2度飲み込む自動改札

前の女性に続いて JR の自動改札を通過しようと Suica をかざしたのですが、その女性は通過せずそのまま止まってしまいました。当然私も止まらなければなりません。 何事かと思うと彼女の切符が取り出し口 (実際は脇の溝?) に再度吸い込まれようとしているのです。 結局その女性の健闘むなしく切符は取り出そうとすればするほど奥にもぐって行ってしまいました。

そう言えばと思い出したのが自分の体験です。 私の場合、東京メトロの自動改札でしたが、 改札に切符を入れ入場しようとしたところ、取り出し口から切符が勢い良くジャンプしたかと思うと次の瞬間には取り出し口の中に吸い込まれていきました。 一瞬の出来事だったのですが確かに吸い込まれたので、 駅員さんにそう告げると「その辺に落ちているのでは?」と不審がられた記憶があります。

でも、そのような体験は私だけではなかったのですね。 身近に2件起こっていれば他にも体験者は多数おられるのでしょう。 実際に体験すると結構ショック受けますよ…

Google Analytics の「目標値」

Google Analytics のコンバージョン目標設定のところに出てくる「目標値」とは「the value of the goal」の訳で、 「目標に1回到達したときの経済的価値」ということですね。 「目標値」と書くからどうやって使うのかよくわからなかったのですが、やっと意味がわかりました。 これを設定しておくと「コンバージョンバリュー」を (目標到達数) × (目標値) で計算してくれます。

それとページの閲覧時間の「00:00:00」が気になっていたのですが、こちらは1ページだけの閲覧はこのように記録されるようですね。 道理で多いわけだ…

LEC 弁理士試験論文講座<知識編>のテキスト、論文アドヴァンステキスト

受講の申し込みをした論文講座<知識編>のテキストは下の3つで LEC のホームページの記述とは若干異なります。 今年から変わったようなのでホームページの記述が追いついていないのでしょう。

  • ブロック集
  • 論証集
  • 事例問題集

ブロック集には例えば以下のような項目についての説明がQ&A形式がまとめられています。

[1] 特許法の目的
 ・「発明の保護及び利用とは?
 ・法目的達成の手段として「発明の保護及び利用」を規定した趣旨は?
 ・「発明の保護」の概略を説明せよ
 ・「発明の利用」の概略を説明せよ

これが特許法なら [1] ~ [52] まであります。

論証集は各論点について対立する各説を論証の一区切り+接続詞の形でまとめて論証の流れを理解できるようにしたものです。

.....
「↓ところが」
.....
「↓そもそも」
.....
「↓とすれば」
.....
「↓これに対し」
.....

「…..」の部分が論証の一区切りです。これは LEC ホームページのサンプルをみると雰囲気がわかるかも知れません。

事例問題集は、佐藤講師いわく「簡単な」事例問題の問題集です。 これはこの説明で想像していただいた通りのものだと思います。

事例問題集はともかく、ブロック集や論証集はこれまでにない教材で論点の整理にかなり役に立ちそうです。 ちなみに宮口講師の論文講座<知識編>では事例問題集と論証集を中心に使い、ブロック集は家での勉強用とのことでした。

また、講座とは別に各法ごとの論文アドヴァンステキストも購入しました。 こちらは一行問題とそれに対する解説で、論文基礎力完成講座で使用するテキストのスーパーセットという感じです。 ボリュームとしては特許法・実用新案法では 80題+応用 15題、意匠法 29題+応用 8題、商標法 50題+応用 8題について解説され、講座テキストよりかなり多くなっています。

しばらくは論文講座<知識編>の講義を中心に勉強を進めて、論文アドヴァンステキストは必要に応じて参照という感じで勉強していくことになると思います。

LEC 弁理士論文講座<知識編> 受講開始

巷では論文試験も終わった頃なわけですが、短答試験をしくじった私は一足早く (ただしマイペースで) 来年に向けてスタートしております。昨年申し込んだ LEC 通信講座の答案締め切りが論文試験前日までなので、6月中は論文基礎力完成講座演習編の答案作成に集中し、何とか全て締め切りまでに提出することができました。 4週間で 12通書いたのですが、答案練習を始めたばかりの今はこんなものでしょう。

悲しいことに本試験での答案用紙の紙質を知ることはできなかったのですが、LEC の答案用紙は厚く万年筆でとても書きやすいです。 また、法学書院の弁理士本試験答案練習用紙も取り寄せたのですが、こちらは LEC の用紙に比べ薄めで、普通のノートのような感触です。 どちらが本試験の用紙に近いのかわかりませんが、いずれにせよ万年筆のペン先は細いものが良いと思います。 答案作成時に書き損じは二重線で訂正することになりますが、太いペン先では小さい字が書けないと思います。 (どなたか本番の用紙を体験した方はコメント・トラックバックいただけるとありがたいです。)

今回答案を作った論文基礎力完成講座の問題はいわゆる一行問題と呼ばれる制度・趣旨等を説明させる問題が中心です。 基礎力を高めるためには一行問題が適していると思いますが、最近の実試験は事例問題が中心になっています。 そこで論文については更に講座を受けた方が良いかと悩んでおりました。

結局は、何かしら材料があった方がやりやすいですし、職業訓練給付金が返ってきたこともあるので、追加で LEC の講座を受けてみることにしました。 受けることにしたのは、 短答試験直後に行われた講義 (もうストリーミング配信は終了してしまったようです) で佐藤先生が「時間が無い人は金で」と勧めておられた、「論文講座<知識編>」です。 別の講師の講義を受けてみようと今回は宮口講師のクラスを申し込みました。

今年から LEC の通信講座は「音声ダウンロード」 を選択して受講できるようになっています。 .WMA ファイルを iTunes で変換して iPod に入れて持ち出すことができ、前回のカセットに比べて快適です。 今時カセットプレーヤーだと何を聞いているのかと興味を持たれてしまいますが、そのようなこともありません。 カセットのように収納にかさばることもないし、通学より安価な料金設定も魅力です。

さて、今週になって論文講座<知識編>の1回目の教材が届きました。 宮口先生の講義を聞きましたが、佐藤先生の講義とはかなり異なります。

  • 宮口先生は 60点を確実に取る (宮口基準6割≒本試基準8割だとか) ための講義で必要以上に深くは突っ込まない。 佐藤先生は深くいろいろな要素を検討するし、論文を書くにあたってただ項目を挙げるのではなく文章の流れをとても大切にする。
  • 話すペースは佐藤先生の方が速い。電車の中で聞くには宮口先生の方が良いように思います。 ただし、身構えて集中して聞くとペースが遅く感じるかも。

以前に比べ実力がついているはずなので、その辺も多少の影響はあるかも知れませんが、 頭に入らなかったり認識できなかったりで巻き戻して聞き返す回数は圧倒的に佐藤先生の講義の方が多いです。 まあ、講座が異なりますし、どちらが良いというものではないレベルの話だとは思いますが、 個人的にはできるだけ複数の講師の講義を受けた方が良いとは思います。 LEC では無料視聴できる講義が用意されています (「特別公開講座」のストリーミング配信や「講座無料試聴」等) ので、どのクラスか悩んだときは試しにこれを聞いてみるのも手だと思います。

次回はここ1ヶ月で増えた教材について書いてみます。

bogofilter のデータベースのエンコーディングについて

bogofilter は何も考えずに使い始めると unicode でデータベースを作ってくれます。

$ bogoutil -w ~/.bogofilter/wordlist.db .ENCODING
spam   good
.ENCODING                           2      0

ここで spam の下の値は 1=raw、2=unicode を意味します。 この例では unicode のデータベースになっていることがわかります。

しかし、これまで紹介した手順では EUC テキストを bogofilter に喰わせているわけで、 bogofilter はそれを iso-8859-1 と信じて unicode に変換してデータベースに格納してしまうのです。

ですので、FAQ 等に載っているように "bogoutil -d" でデータベースを見ようとしても日本語が化けて困ってしまうのです。 とりあえず以下のコマンドを打てば Cygwin 環境ではきちんと日本語も SJIS で出力され、その内容を確認できます。 (最後の nkf で出力エンコーディングを調整してください)

$ bogoutil -d ~/.bogofilter/wordlist.db | iconv -c -f utf-8 -t iso-8859-1 | nkf -Es

たまにこうしてデータベースの内容を見てみると色々な発見ができるのではないでしょうか?

さて、わざわざ変換に手間をかけるならば raw でいいではないか、ということになります。 unicode から raw にデータベースを変換するやり方は先の FAQ に出ているのでこれを参考に raw encoding のデータベースファイルを作ります。

$ cd ~/.bogofilter
$ bogoutil --unicode=no -m wordlist.db
$ bogoutil -w wordlist.db .ENCODING
spam   good
.ENCODING                           1      0

これで "bogoutil -d" の結果が EUC で出力されるようになりました。

なお、iconv を使った変換もしてみましたが、.ENCODING の値は 2 のままでした。 ただし、データベースの内容は raw (=EUC) になってはいるようです。 それ以上突っ込んだ確認はしていません。

鉄道模型ちゃんねる 再放送情報

BSジャパンで鉄道模型の番組をやっていて今週が最終回だったのですが、引き続き再放送がされるので紹介しておきます。

BSジャパン 鉄道模型ちゃんねる
木曜 18:00 ~ 18:30 (2007. 7. 5 ~)
日曜 11:30 ~ 12:00 (2007. 7. 8 ~ たぶん木曜と同じ内容)

私は途中から見始めたので最初の方は見ておらず再放送されて嬉しいです。 内容はレイアウト作成だったり、車両製作だったりです。 Nゲージを取り上げていることが多いですが、HO ナローレイアウト製作や HO のコンテナ貨物ウェザリング等もありました。 デザインナイフ等を使った加工の手際の良さや塗料の調色など参考になる映像・情報が盛りだくさんです。 レイアウト製作で紹介されるストラクチャは改造かフルスクラッチで、そのテクニックはもちろん作業環境から使っている道具まで「さすが…」という感じです。それらを配置した精巧なレイアウトを作って「制作期間5日間」などと出てくると「次元が違う…」と思ってしまいます。

また、10月から第2弾が始まるとのことでこちらも期待です。


2008. 1. 8追記
さて、続編の放送も終えて再放送のスケジュールが気になるところです。 正式な情報は見つけられなかったのですが、1/13 (日) 11:30 ~ に第1回の「伊豆急行北川駅」が再放送されるようなので、恐らく毎日曜日 11:30 ~ 12:00 の枠で一通り再放送されるのではないでしょうか。 番組ホームページでの告知ぐらいやって欲しいものです。

2008. 1. 10追記
番組ホームページが更新されました。続編含めて最初から一通り放送されるようです。 鉄道模型に興味のある人は一回は見てみる価値があると思います。

2008. 4. 6追記
本日より毎週日曜 19:30 ~ 20:00 の枠で放送されています。

2009. 1. 10追記
2009年1月時点の情報はこちら。

関連記事
鉄道模型ちゃんねる:逆引き製作テクニック集

3歳児がするコンピュータの操作

うちの息子は戦隊モノ (今ならゲキレンジャー) や仮面ライダー (こちらは電王ですね) が大好きで仕方ないのです。 私がそれらの Web サイトを見せると当然ながらあっちこっちをクリックするようにねだってきます。

ならばとマウスの使い方を教えると、きちんとクリックすることを覚え、スクロールも真ん中のダイアル (古いマイクロソフト製マウスを使っています) を使って上手にできるようになりました。

操作を覚えた息子の横でただ付き添っているだけなのはちと面倒なのですが、 目を離すと関係ないアプリケーションを起動して、どう操作すれば出てくるのかわからない、それでいて危険な選択を迫るダイアログボックスを表示してくれたりするので困ります。 それならばと息子専用のアカウント (パスワードなし) を作ってブラウザのお気に入りにそれらのサイトを登録してやると、 ログイン画面から自分のアイコンを選んでログインし、ブラウザを起動してブックマークから目的のサイトへ到達することを覚えました。

続いて PDF でできた塗り絵を印刷する操作を覚えました。

そのうち、ログイン画面のアイコンを変えたり、パスワードをつけたり (「りりり」とか「ろろろ」とか簡単ですが) し始めて、無駄に頻繁にこれらを変更しています。 ログオフやらシャットダウンやらも出来るのですが、悲しいかな、漢字が読めないため、操作につまることもよくあります。

それにしても好きこそものの上手なれ、戦隊モノのホームページを見るためにちょくちょくパソコンを使い、 段々と新しいページへの辿りつき方や新しい操作を覚えていきます。 親としては今のうちからあまりのめり込んで欲しくはないし、目も悪くなりそうで心配なところはあるのですが、 テレビをダラダラ受動的に見るよりは能動的で良い気もしています。 キーボードの配列っていつ頃教えるんでしょうねぇ… (爆)

こんな息子は来月4歳になります。

Cygwin 上でのシリアル端末エミュレータと expect

例えばネットワークの変更作業を終えた後にもろもろのステータスを確認するログを取得するときなど、大量の機器に対しお決まりの一連のコマンドを投入したいときがあります。 そんなとき私の周囲の人々は Tera Term のマクロを駆使してコマンドラインインターフェイス上での一連のコマンド実行を自動化するわけですが、 私はいまさら Tera Term のマクロを覚えるよりは手許にある expect のスクリプトをちょっと直して済ませたいと思ってしまうわけです。 マクロの類など使わずに、実行するコマンドを羅列したテキストエディタから端末エミュレータへコピー&ペーストするという手もありますが、 このやり方を取ると一般に機器の応答を待たず一連のテキストをペーストしてしまうので、何かの拍子にペーストしたコマンドがきちんと認識されずエラーが起こるというのはありがちなことです。 そもそもコピペの連続などエンジニアの作業としてはどうなのかという問題 (?) もあります。

さて、expect を使いたい時は Cygwin の expect を使います。ネットワーク越しにアクセスできれば /usr/bin/telnet.exe を使ってログインをした後に機器のコマンド実行をするスクリプトを作って流すことができます。 しかし、もろもろの理由でシリアルケーブルを使ってコマンド実行しなければならない時もあります。 Tera Term ならばネットワーク接続でもシリアル接続でもどちらでも問題ないのですが、expect を使うときは telnet の代わりにシリアル端末エミュレータを使わなければなりません。 「シリアル端末エミュレータ」という言葉はかなりニッチな分野でコレという決定的なソフトが無いように思います。 ですので選択が難しいところですが、私の場合は jerm を使っています。

何故 jerm だったのかは記憶が定かでないのですが、とりあえずコンパイルして使っていて問題がないのでそのまま使い続けています。 ただし、コンパイルにはそれなりにソースを修正しています。 jerm-8095 用のパッチファイルはこちらです。 そのうち blog で取り上げようと思いつつコンパイルをしたのが既に1年以上前になってしまい、詳細は覚えていないのですが、 今その内容を見ると苦労してコンパイルした後が窺えます。 単純にシリアルターミナルエミュレータとして動かすことのみを目的としたパッチファイルですので、他の付加機能がきちんと動くかは試していませんのでご注意ください。 getaddrinfo-1.6.3.tar.gz を利用させていただきましたが、これはパッチファイルの中に含まれています。

さて expect を使ったコマンドの実行例です。 とりあえず、サンプルレベルですが、以下が expect スクリプトと実行するネットワーク機器のコマンドファイル (Cisco Catalyst 用) の例です。enable 用パスワードは cisco としています。また、COM2 (=/dev/ttyS1) を利用しています。 見てお分かりのように、シリアル通信を開始してプロンプトを出し enable する手順を、 while 文を用いてプログラム化しています。

docmd.exp

set timeout 2
match_max 100000
if {[llength $argv]>0} {
set filename [lindex $argv 0]
set enablep "cisco"
set fp [open $filename r]
set pid [spawn /usr/local/bin/jerm -r xnrn /dev/ttyS1]
set done ""
while {"$done" == ""} {
expect {
">" {
set timeout -1
send -- "enable\r"
expect "Password: "
send -- "$enablep\r"
}
"#" {
set done 1
}
timeout {
send -- "\r"
}
}
}
while {![eof $fp]} {
set cmd [gets $fp]
send -- "$cmd\r"
expect "#"
}
send -- "exit\r"
exec kill $pid
close $fp
close
}

status.cmd

terminal length 0
show clock
show interface
show route
show logging

この2つを用いて以下のように実行すれば、status.log に実行結果を残すことができます。

expect docmd.exp status.cmd | tee status.log

expect を使うとシェルスクリプトと組み合わせて複数の機器にパラメータを調整しながら telnet でコマンド実行したりということも書きやすいので、 重宝しています。 というかそのような用途に Tera Term のマクロより expect + sh スクリプトを選ぶ私が嗜好が今の時代だと特殊かも知れませんが。 expect についての情報は多くないのですが、Tcl の拡張なので文法は Tcl について調べればオッケーです。


2007. 8. 10 追記
コメント欄にある通り、 jerm 作者の方が、パッチの内容を取り込んだ新バージョンをリリースしてくださいました。 バイナリ版も合わせてリリースされていますので、Cygwin でシリアル通信プログラムを探している方はまず jerm を試してみてはいかがでしょう?

2011. 7. 29 追記
少し前perl の expect モジュールを見つけました。 私のように tcl よりは perl の方が嬉しいという人はチェックしてみてください。

マザーボード上のコネクタを用いた USB ポート増設

家で使っているデスクトップマシンのマザーボードは AOpen AX4SG-UL なのですが、 このボードにはバックパネルに4つの USB ポートがあり、更にマザーボード上に USB ポート2個分のコネクタ×2ヶがあります。 これまではバックパネルの4つのみ使っていたのですが、USB 機器が増えたので使えるポートを増やしたくなりました。

そこでマザーボード上のコネクタを有効利用しようと思い立ち、増設用の USB ポートを買おうと決心したのですが、調べてみるとピン配列に標準がないようで下手をすると間違って互換性のないピン配列のものを買ってしまいそうです。 慎重を期さなければと心に留めつつ、まずは帰宅途中に寄り易いビックカメラで物色したのですが、ちょうど良いものがあったので購入しました。 Groovy の GR-US006 という製品です。

ピン配列

マニュアルを参照するとマザーボードのピン配列は上の図の通りなのですが、これと全く同じ配列のコネクタが2つ使われていて、4つの USB ポートを 3.5 インチベイの中に組み込むことができます。 これを見つけるまでは背面のスロットに挿すものを想定していたのですが、一時的に挿す USB 機器の場合はフロントにポートがある方が使い勝手が良いですね。

ただし、3.5 インチベイの中に4つのポートが並んでいるため、ポートの間隔は必要最低限しかないので注意が必要です。 USB ケーブルを挿すならば問題はありませんが、例えば私の持っている初代 iPod Shuffle を挿すと隣のポートは使えなくなります。 まあ、前後合わせて8つのポートをフルに使うことはないような気がしますが。

価格は \2,310 でした。 チップの載った PCI バス用増設カードが買えてしまう値段なので気分的にしっくりこないのですが、ケーブル類はそれなりに値が張るので、フロントにポートがつくことを考えればこの程度の出費は仕方ないですよね。