PCM-D50 で録音したバンド練習の音源の処理は以下のようになります。
- SonicStage Mastering Studio を使って1つの .WAV ファイルから演奏部分を切り出して、複数の .WAV ファイルを作成。
- 続いて iTunes 等を使って .WAV ファイルから .MP3 に変換。
実は SonicStage Mastering Studio (以下 SSMS) は PCM-D50 を購入する前から VAIO にプレインストールされていたのですが、起動時画面を見て特定用途向けと判断し全く使っていませんでした。
PCM-D50 を購入して初めて、録音済み .WAV ファイルを分割して、マスタリング用エフェクトをかけることができるのに気づいたのです。
下の画面のような説明が起動時画面に表示されますが、何のことやらって感じませんか?
まあ、特定用途向けなのは確かなのですが…
で、SSMS に付属するマスタリング用エフェクトがコンシューマー用 PC には似つかわしくない程のプロ用なのです。 いや正直に言うと私自身はマスタリング用のエフェクターには詳しくなく、マスタリング用エフェクトというと (アナログの!) コンプレッサーぐらいしか思いつかなかったのですが、マスタリング用エフェクトのおまけにバイオがついているという表現 (ちょっと古い記事です) もあるぐらい SSMS はスゴいもののようです。
我が家の VAIO にプレインストールされた SSMS は Version 2.4 なのですが、実際に使ってみるとベーシックな5バンドの EQ から、音圧や音場の広がり (ステレオだけでなく 5.1ch 用も!) を調整するためのものなど様々なエフェクトが用意されています。
私の場合、 PCM-D50 の主用途はバンド練習の演奏確認としてメンバーに配る音源作成なわけですが、このような目的では録音時のマイクセッティングに時間をかけるわけにはいきません。 (ギター、シンセとボーカル用マイクのセッティングをしなければならないし、こちらの方が重要なのです!)
また、PCM-D50 の場合、録音レベルはマニュアル調整しなければならないので演奏中もメーターが視認できる位置に置いておきたくなります。 加えてドラムやモニタースピーカー、ギター/ベースアンプ類等機材の配置もこのような録音のことは考慮せず決められているわけで、結果としてどうしてもバランスが偏った録音になりがちです。
このような状況で特に以下の2つのエフェクトが有用だと感じています。
Sony Localization Equalizer Plugin
これは周波数とパン位置をレンジで指定して音量調整するものです。
つまり特定のパートを持ち上げたり、引っ込めたりすることがある程度可能なのです。
録音時の配置にもよりますが、2台のギターのうち音量の小さい方を持ち上げて確認しやすくする、ということができるのです。
下の図を見てください。
縦軸が周波数、横軸が定位を表すのですが、「1」で示される四角のように Range を指定できます。
そしてこの Range に対して右のスライダーで音量調整ができます。
この図では +5dB の補正をしてます。
この Range が5つも設定できてしまうわけです。これってすごくないですか?
WAVES S1 Stereo Imager
これはステレオの広がりを調整するエフェクトです。
原音より狭める処理はともかく広げる処理というのは今一つどういう処理をしているのかよくわかりませんが、これをかけることによって各パートの演奏が確認しやすくなることがあります。
この他にもアナログテープの圧縮効果をシミュレーションしたり、ノイズ除去をしたり等々様々な効果を得ることができるエフェクト満載です。SonicStage Mastering Studio Version 2.4 の付属エフェクト一覧を示しておきます。 少数派でしょうけれど、これを見て VAIO が欲しくなってしまう人もいるのではないでしょうか?
- Sony Oxford Multichannel 5 Band EQ + Filters
- Sony Oxford EQUALISER
- Sony Oxford Inflator
- Sony Oxford Restorer
- Waves S360 Surround Imager
- Waves Renaissance Bass
- Waves S1 Stereo Imager
- Waves L1 Ultramaximizer
- QSound QSurround 5.1
- QSound QSurround Virtualizer
- QSound QMSS
- Sony Downmix Plugin
- Sony Fader Plugin
- Sony Surround Panner Plugin
- Sony Localization Equalizer Plugin
また VST エフェクトプラグインや DirectX オーディオエフェクトプラグインを追加することができます。 Premiere Elements でも VST が使えましたが、シーケンサー (っていうか DAW ソフト) だけでなく様々なところで使えるのですね。 ちなみに SSMS のプラグインは他の VST ホストでは動かないらしいです。
ちょっと注意点です。
PCM-D50 付属の SSMS は付属するエフェクトの数が少ない
PCM-D50 に付属する SonicStage Mastering Studio Recorder Edition では使用できるエフェクトの数が VAIO プレインストールのものより少ないです。以下のものしか使えません。これだとちょっと淋しいですねぇ。
- Sony Downmix Plugin
- Sony Fader Plugin
- Sony Surround Panner Plugin
- Sony Localization Equalizer Plugin
エラーメッセージが表示された
SSMS を初回起動後、いきなり .WAV ファイルをロードして編集モードに移行し、サウンド再生をしようとすると以下のエラーメッセージが表示されました。
入力、または出力に使用するデバイスや端子が選択されていません。 それぞれのデバイスの選択状態を確認してから再度操作を行ってください。
このエラーが表示されたときは、「入力を選択する」の画面で何か入力を選択すると良いようです。 1度選択するとエラーは出なくなりました。
…どうでも良いかも知れませんが参考までに書くと、バンド演奏時のギター用のエフェクトは BOSS SE-70 を使っています。