標準 VSTi の音がショボイと感じたら複数の音色を重ねてみよう

Cubase 5 で「レイヤー」

私自身は Cubase 5 付属の VST インストゥルメント (VSTi) の出来に結構感動しているのですが (VST 5 の USM なんてひどかったもんね!)、世の中には付属 VSTi の音では満足できない人が相当数いるようです。 恐らくそのような感想を持つ人の大多数はプリセットから音色を選ぶだけになっているのではないかと推測するのですが、実は難しい音色エディットをしなくても、音を重ねてちょっと工夫するだけでプリセット音とは一味違うサウンドをつくることが可能だったりします。

というわけで、ここでは一つのトラック内で複数の VSTi を重ねて鳴らす方法を説明します。 シンセ関連用語で「レイヤー」というやつです。 お金の力に任せてサードパーティ製 VSTi をガンガン買い揃えるのも素敵ですが、お金がなくてもセンスと工夫で何とかしてみましょう、というのが今回のテーマです。

実際の操作

ここでは Cubase 5 の標準プラグインを用いて Mystic + HALionOne × 2 を重ねる例で説明します。

  1. 「VST インストゥルメント」ウィンドウを表示し、必要なインストゥルメントを選択します。 Mystic については「プラグイン "Mystic" を割り当てた MIDI トラックを作成しますか?」に「作成」と答えて MIDI トラックを合わせて 作ります。 HALionOne については、新たな MIDI トラックは不要なので「キャンセル」を選んでおきます。
  2. ここまででプロジェクトウィンドウ上には VST インストゥルメントチャンネルが3つ、MIDI トラックが1つできているはずです。 それぞれの VSTi で好きな音色を選んでおきます。
  3. (表示されていない場合は) MIDI トラックのインスペクターに「MIDI センド」を表示します。
  4. MIDI トラックの「MIDI センド」で、2つの HALionOne に接続するよう設定します。 Mystic については MIDI トラックの出力先として割り当てられているはずなので、「MIDI センド」で設定する必要はありません。
  5. この状態で MIDI トラックを選択し、MIDI 信号を送れば3つの VSTi の音が重なって鳴るはずです。

ここまでできれば、後は音色間のレベルやパンを調整したり、好きなエフェクトをかけたりしてサウンドを整えていきます。

(2012年12月追記: この他にトラック間で共有コピーする方法もあります。Shift 押しながらコピーするやつです。サポートブログで紹介されていました。)

音作りのヒント

音作りのヒントをいくつかざっくばらんに書きます。

  • 定番は減衰系 (ディケイ系) と持続系 (サスティン系) の組み合わせなので、初めての人はまずそこから始めると良いと思います。
  • 音色によってはオクターブ上げ (下げ) てから重ねたい時があると思います。 そんな時は「MIDI センド」の設定で、「MIDI Modifiers」をかませて「移調」の値を調整します。
  • 「MIDI Modifiers」の「範囲」「ノートフィルター」をうまく使えば、レイヤーだけでなく「スプリット」も可能です。
  • 特にリバーブ系のエフェクトについては VSTi そのもののエフェクトはオフにして最後にまとめてかける方が音がなじむでしょうし、パフォーマンス的にも良いと思います。 これをするにはグループチャンネルトラックを作成し、各 VST インストゥルメントチャネルの出力先をこのグループチャネルトラックにした上で、グループチャネルトラックにリバーブをかけます。 グループチャネルトラックにまとめておけばボリュームコントロール等何かと便利だと思います。
  • 2つの減衰系の音を混ぜずに重ねたいときはパンを調整して片方にショートディレイをかけると良いかも知れません。
  • お気づきの通り、VSTi を重ねればその分 CPU パワーをを消費します。 Cubase には CPU 消費を抑えるために「インストゥルメントフリーズ」という自動オーディオファイル変換機能がありますが、「MIDI センド」先として設定している VSTi の再生をフリーズさせる方法は無いようです。 パフォーマンス的にどうしようもなくなってきたら手動で「オーディオミックスダウンの書き出し」をするしかなさそうです。
  • 最後にもう一つ、同じ音色でも単体で聞いたときとオケの中に入ったときでは印象が変わることが多いということを付け加えておきます。 Cubase を使う人は音色でなく曲をつくる人だと思うので、リッチな音よりも曲の中で役割をしっかり果たす音を狙う方をお勧めしておきます。

Cubase でノイズ・音切れを避けるための Windows 設定

Cubase を使っている時にノイズ・音切れを出さないようにするための Windows 設定を紹介します。 想定しているのは Cubase の利用ですが、他の音楽制作ソフトでも同じだと思います。

(2012.5.4 追記: 最近は PC の購入が一番の対処法と思うようになりました。関連記事をご覧ください。)

ここで挙げている手順を行うと他のアプリケーションに必要なサービスが止まっていて使えなかったり、見た目がショボくなったりしてしまいます。 ですので、Cubase 専用の PC を用意できる人は以外は Cubase を使わない時は元に戻すという使い方になると思います。 私もここに挙げた設定を全部行うのは、リアルタイムレコーディングなどレイテンシーを最小にして使いたい時のみで、それ以外はオーディオ・インターフェイスのバッファを大きめに設定して使っています。

不要なサービスとスタートアッププログラムの停止

まず以下の手順で不要なサービスとスタートアッププログラムを止めます。

  • 「ファイル名を指定して実行」で msconfig を実行します。
  • 「サービス」タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れてから「すべて無効」をクリックします。
  • 「スタートアップ」タブで不要そうなもののチェックをはずして無効にします。 必要なものと必要かどうか判断がつかないものはそのままにしておきますが、パフォーマンスのことを考えるとウイルス対策関係は無効にした方が良いでしょう。 ウイルス対策を無効にした場合は、別途ネットワーク接続も無効にしてスタンドアロンで使用し、信頼できないリムーバルメディアを使わない様にしましょう。
  • 「OK」を押して Windows を再起動します。

なお、これらの設定を元に戻したいときは、同じ msconfig の「全般」タブで「通常スタートアップ」を選び再起動します。

システムのパフォーマンスの設定

次に、Windows のシステム設定を行います。 Windows のバージョンによって若干設定画面が異なると思いますが、ここでは Vista の画面を使って説明します。

  • 「コントロールパネル」-「システム」-「システムの詳細設定」を選択し、「パフォーマンス」の設定を選びます。
  • 「視覚効果」タブで「パフォーマンスを優先する」を選びます。 見た目はショボくなりますが、結構効果があると思います。 (Vista だから?)
  • 「詳細設定」タブで「バックグラウンドサービス」に最適なパフォーマンスとなるようにします。 オーディオ・インターフェイス周りはバックグラウンドで処理されるのです。
  • 「OK」を押してパフォーマンスの設定を終了します。

その他に省電力機能は OFF (パフォーマンス最優先) にしておきましょう。

オーディオ・インターフェイスの設定

最後にオーディオ・インターフェイスのマニュアルを読み、ドライバの設定でバッファサイズ (あるいはレイテンシー) を調整します。 バッファ (レイテンシー) を大きくすれば音切れは少なくなります。

ここまでやってもノイズがのるようであれば、新しいサウンドカードが必要でしょう。 ちなみに私は UA-101UA-1EX (UA-1G の前のモデル) を使用しています。

UA-101 と外部エフェクト/インストゥルメント

Roland UA-101 は 2005年 5月に発売された 10IN/10OUT の USB オーディオインターフェイスで、私は4年前に購入しましたが、いまだ現役ラインアップの製品です。 今回は、この UA-101 を Cubase 5 で使用する際のヒントです。

「デバイス設定」で UA-101 を確認すると入力チャネルとして「MON L/R」(モニター入力) が存在しています。

「何でモニターが入力なんだろう?」と思い、UA-101 のブロック図を見ます。


(UA-101 マニュアルより)

「ああ、こういう接続なんだっけ…」すっかり忘れています。

ということは、ch9/10 をステレオ出力バスに割り当て、UA-101 上でこのチャンネルのみがモニター出力されるように設定すれば、ch1 ~ 8 は全部外部エフェクト/インストゥルメント用の出力として使うことができるようになります。 ch9/10 はデジタル入出力なので使いでがなく、8IN/8OUT のインターフェイスを使っている気分でしたが、これで ch9/10 の存在価値が出ます。

この説明ではよくわからないかも知れませんが、具体的にどう設定したかというと、VST コネクションで ch9/10 を「Stereo Out」に割り当てて、

UA-101 で ch9/10 をモニターするよう設定しました。

まあ、実際はエフェクトセンド用ぐらいにしか使わない出力チャンネルよりも外部機器からの出力を受けるための入力チャンネルの方が不足するのですが、ch9/10 の存在価値が出て気分が良いのは確かです。

Cubase 5 のマニュアルを見ながら外部エフェクト/インストゥルメントのセットアップをするのはさほど難しくないと思います。 ch1/2 をマイクやギター等の録音用としても、ch3 ~ 8 までステレオエフェクター・シンセ× 3台の出力を受けることができます。 設定してしまえば、VSTエフェクト/インストゥルメントと同じように扱えるので、もし、アウトボードのエフェクターや音源を持っていて DAW 環境でも活用しようと考えているのならば、Cubase 5 (Studio 以下では外部エフェクト/インストゥルメントは使用できません) と UA-101 の組み合わせはなかなか良いと思います。

一般リモートデバイス (Generic Remote) 設定補足

Cubase 5 の「一般リモートデバイス (Generic Remote)」として M-Audio の MIDI コントロールサーフェス UC-33e を使う場合のボタンの設定についての補足です。

UC-33e のボタンは MIDI コントロールチェンジのデータ (値) として、ボタンが押される度に「DATA LSB」、「DATA MSB」として設定されたデータを交互に送出します。 ただし、ここで言う「DATA LSB」、「DATA MSB」とは単に UC-33e 上のパラメータ名でしかありません。 「Program」というパラメータも存在しますが、コントロールチェンジ送出の際は使用しません。

例えば、「LSB = 0、MSB = 127」であれば、ボタンを押すたびに 0 と 127 を交互に送出します。 「LSB = 64、MSB = 64」であれば、常に 64 を送出します。 前者はトグルボタンのイメージで、後者は単純なプッシュボタンのイメージです。

ボタン動作の設定としてのお勧めは UC-33e 側は「LSB = 64、MSB = 64」として一定の値を送るようにし、Cubase 側のフラグで「切換 (Toggle)」フラグを設定する/しないで使い分ける方法です (Cubase 6 用追記:このように UC-33e のボタンに 64 を割り当てた時は、Cubase の方の「最大値」の設定も 64 にしておきます)。 「切換 (Toggle)」フラグが必要なのは、例えばメトロノーム ON/OFF や録音 (マニュアルパンチアウトのため) 等です。 UC-33e 側でボタンごとに LSB と MSB を異なる値にしたりしなかったりというように設定してしまうと「一般リモートデバイス」の設定バンクを複数使うときに管理が難しくなると思います。

ちなみに Cubase ミキシング用である UC-33e のプリセット 1番は何故か意味無く「LSB = 0、MSB = 127」のボタンと「LSB = 64、MSB = 64」のボタンが混在しているようです。 この辺り含め、初期設定は見直すのが良いと思います。

それと Cubase 側の「プッシュボタン」フラグの効果はよくわかりません。 少なくとも UC-33e を上に書いたように設定している限りはこのフラグは不要だと思います。


2011.5.20 追記
「一般リモートデバイス」の設定をチマチマやるよりも Mackie Control 互換モードを持つ ZOOM R16 等を使うのがお手軽に思える今日この頃…。

やっぱりマウスよりツマミやボタンが良いです (Cubase 5 編: 2/2)

VST プラグインのパラメータをコントロールしよう

M-Audio UC-33e を使った Cubase 5 のリモートコントロールについて2回目の今回は、VST プラグインのパラメータをリモートコントロールする方法についてまとめます。 VST シンセの演奏中にフィルターカットオフをいじったりだとか、VST エフェクトの歪具合を変えたりだとかしたい時にどうすれば良いかを説明します。

パラメータを割り当ててコントロール

(インストゥルメントトラックではなく) VST インストゥルメントチャンネルとして設定すると「デバイス設定」の「一般リモートデバイス」で VST インストゥルメントのパラメータを呼び出せる様になります。 図は Prologue を設定した場合の例です。

ただし、このやり方には欠点があります。

プロジェクトごとに使うインストゥルメントは異なると思いますが、この「一般リモートデバイス」の設定はプロジェクトごとにするものではありません。 設定が面倒ですし、昔のバージョンで使っていた時は何かの拍子で設定したパラメータが正しく認識されなくなって使えなくなったりもしました。 そもそも VST エフェクトプラグインのパラメータはこの方法で操作することができません。

というわけで、VST プラグインのコントロールにはこの方法よりも次で説明する「トラッククイックコントロール」機能の方がお勧めです。

トラックのクイックコントロール

トラッククイックコントロール機能を用いると、選択トラックの最大8つまでのパラメータをリモートコントローラーで操作できます。 早速やってみましょう。

  1. 「デバイス設定」ダイアログの「リモートデバイス」-「クイックコントロール」のところの MIDI 入出力に UC-33 が設定されているのを確認します。 コントロールのアサインはデフォルトのままで UC-33e プリセット 1番のフェーダー 8本を使ってコントロールできるようになっています。
  2. インスペクターのクイックコントロールのところで割り当てたいパラメータを選択します。 図は HALionOne のインストゥルメントトラックでカットオフとレゾナンスをいじれるように設定しているところです。
  3. トラックを選択して、UC-33e のフェーダーをいじるとパラメータを変化させることができます。

FXチャンネルトラックで同様のことをすれば、エフェクトパラメータをコントローラーで変化させることができます。

ただし、前回説明した「一般リモートデバイス」の設定を行ったままでこれをやると、ミキシングのコントロールも同時に行われてしまいます。 これを回避するには「一般リモートデバイス」の MIDI 入力を「未接続」にするか、何もコントロールを割り当てていないバンクを作成して選んでおくようにします。

プラグインのパラメータをいじりたいときと、ミキシングのコントロールを行いたいときは別工程の様に思うので、UC-33e を「一般リモートデバイス」で使用するか「クイックコントロール」で使用するかを切り替えながら使えば良いと思います。

その他

最後にリモートコントロールについて気になるところを挙げておきます。

パンでセンターが出ない
UC-33e のツマミではパンのセンター設定をすることができません。 コントロールチェンジは 0~127 の 128段階、Cubase のパンの設定は L、L99 ~ L1、C、R1 ~ R99、R の 201段階なので、UC-33e のツマミのコントロールで全てのパン設定を網羅できるわけではないのです。 コントロールチェンジの真ん中付近の値は 63 や 64 ですが、これらは L1、R1 に対応し、C に対応する値は無いのでツマミでセンター設定ができないということなのです。

実用上は R1/L1 と C の設定を聴き比べてわかるわけでもないでしょうし、それでもやはりセンターという場合はそのときだけ Ctrl+マウスクリックすればよいのですが、気になると言えば気になります。

やはり高価なコントローラはそれなりの理由がある
高価なコントロールサーフェスは Cubase からの情報で位置を変えるフェーダーやノブを持っていたりします。 UC-33e の場合はフェーダーやノブが動いたら情報を送るだけという一方通行のコミュニケーションなので、その差は歴然としてあると思います。 まあ、私にとっては UC-33e で十分ですが、人によっては「やはり Mackie」という人もいるだろうと思います。

Mackie までは行かなくともスライダーやノブがついた MIDI コントローラー/シンセを持っている人はそれなりにいると思います。 今回の記事がそんな方々のセットアップの役に立てばと思います。


2011.5.20 追記
最近安価なコントロールサーフェス専用機は無いような気がするのですが、コントロールサーフェスとしても使える ZOOM R16 あたりは魅力的に見えます。

やっぱりマウスよりツマミやボタンが良いです (Cubase 5 編: 1/2)

私は MIDI コントロールサーフェス (MIDI コントローラー) として安価な M-Audio UC-33e を使っています。 Cubase 5 のオペレーションマニュアルの「Cubase のリモートコントロール」の章には対応デバイスとしていくつかの製品名が出てきますが、UC-33e はそこに記載されているわけではありません。

それでも、MIDI コントロールチェンジを出力できるので「一般リモートデバイス (Generic Remote)」として設定して使用することが可能です。 マニュアルの「リモートコントロールデバイスを使用してユーザーパネル・パラメーターにアクセスする(Cubase のみ)」の部分に書いてあることは、Cubase 上のパラメータを自分の LCD に呼び出せるタイプのコントローラーでないと対応できないですが、それ以外のミキサーをコントロールしたり、コマンドを呼び出したりということは UC-33e でも可能です。

というわけで Cubase リモートコントロールについて2回に分けて記事にします。 UC-33e でないコントローラーをお使いの方にも参考になる部分はあると思います。 記事は Windows 版 Cubase 5.5 を使用して書いていますのでご了承ください。

セットアップ

ミキシングに UC-33e を使うための Cubase 5 のセットアップは以下の通りです。 ただし、事前準備として UC-33e をコンピュータに接続し、ドライバをインストールしておかなければなりません。

  1. メニューより「デバイス」-「デバイスの設定」を選択し「デバイスの設定」ダイアログを表示する。
  2. 左のツリーより「MIDI」-「MIDIポートの設定」を選択し、「UC-33 USB MIDI Contoller」が表示されているのを確認、UC-33 MIDI インの「『すべての MIDI 入力』に含める」チェックボックス (項目の名称は Cubase 5.5 での表示です。Cubase 5 だと若干項目名が違ったかも知れません) をはずしておく。 これをやっておかないと、ミキサーのパン操作と同時に選択している VST インストゥルメントトラックの音色も変化してしまったり、というようなことが起こります。
  3. 同じ「デバイスの設定」ダイアログで「+」ボタンを押し「一般リモートデバイス」を追加後、「リモートデバイス」-「一般リモートデバイス」を選び、「読み込み」で UC-33e のインストール CD に含まれる「Cubase SX preset.XML」を読み込む。
  4. 「OK」を押して「デバイスの設定」ダイアログを閉じる。

これでセットアップができました。

ミキシングのコントロール

UC-33e 側は「PRESETS-1」ボタンを押して、工場出荷時プリセット 1番の「Cubase Multi-channel Mixing (1-8) +Channel Strip」を選択します。 Cubase 5 側は「デバイス」-「一般リモートデバイス」を選択し、「一般リモートデバイス」のステータスウィンドウを表示させ、「VST 1-16」バンクが選択されているようにしておきます (下図)。

この状態で UC-33e を使用してチャンネル 1~8 までのボリューム、パン、センド1、センド2 をコントロールすることができます。

チャンネル 9~16 を操作したいときは UC-33e のプリセット 10番「Cubase Multi-channel Mixing (9-16)」を呼び出します。 10番を呼ぶためには「RECALL」キーを使わなければならないので、ワンタッチで呼び出せる 2番あたりに予めコピーしておくと良いと思います。

ちなみに、UC-33e の操作ですが、

プリセット 10番の呼び出し: 「RECALL」-「1」-「0」
プリセット 10番を 2番にコピー: 「RECALL」-「1」-「0」、「STORE」-「0」-「2」

です。

チャンネル 17~23 を操作したいときは、先の「一般リモートデバイス」ステータスウィンドウで「VST 17-32」バンクを選択し、UC-33e のプリセット 1番を使用します。24~32 は UC-33e のプリセット 10番に切り替えます。 チャンネル 33~48 の場合も同様の操作で使用できます。

ここでいうチャンネル番号 (1~16、17~32、…) は以下のチャンネルに割り当てられます。 入出力チャンネルもコントロール対象となっていて、最後部に割り当てられます。

  • オーディオトラック&インストゥルメントトラック
  • グループチャンネル
  • FXチャンネル
  • VSTインストゥルメントチャンネル
  • 入力チャンネル
  • 出力チャンネル

Cubase のミキサー上には MIDI トラックも表示されますが、MIDI トラックは UC-33e のコントロール対象にはなりません。 Cubase の番号と UC-33e の番号がずれてわけがわからなくなるのを避けるために、プロジェクトウィンドウ上ではコントロール可能なトラックを先に配置し、MIDI トラックは一番下にしておきます。

トランスポートコントロール

チャネルミキシングのバンクを選んでいるとき、トランスポートコントロールは以下の様な割り当てになっています。 これが使いやすいかは微妙なので好みに応じて「デバイスの設定」の「一般リモートデバイス」のところで設定し直せば良いと思います。

[UC-33e のボタン] [Cubase のコマンド]
Stop Rewind
Start Forward
Rewind Punch In
Forward Record
Record Punch Out
7 Precount On
8 Display Time
9 Metronome On

チャネルストリップコントロール

「一般リモートデバイス」ステータスウィンドウで「Channel Strip」バンクを選択すると UC-33e に付属する「MIXER CHANNEL STRIP」オーバーレイの表示通り、選択チャンネルに対してエフェクトセンドや EQ の設定を細かくできるようになります。 「チャンネル設定」ウィンドウを開いての操作になると思いますが、特に EQ の設定 (Gain、Freq、Q、ON/OFF × 4) がボタンとノブでできるのは快適です。 このとき UC-33e の方はプリセット 1番を使います。 インサートエフェクトの操作については微妙な感じになっていますが、このあたりは設定を修正して使いやすいようするのが良いでしょう。

次回は VST プラグインのパラメータのコントロールについてまとめます。


2011.5.20 追記
最近安価なコントロールサーフェス専用機は無いような気がするのですが、コントロールサーフェスとしても使える ZOOM R16 あたりは魅力的に見えます。

HALionOne のもろもろ

Cubase 5 を導入してしばらく経ちますが、機能が豊富で何かすれば新たな発見があります。 さて、今回は Cubase 5 の代表的な VST インストゥルメントである HALionOne (サンプルプレイヤー) についてまとめてみます。 以下 Cubase 5 (正確には 5.5) での話となります。

GM音源として使えるか?

HALionOne はプリセットの中に GM音色を揃えてはいますが、プログラムチェンジに対応していません。 これを補う機能として、Cubase はスタンダード MIDI ファイル (SMF) を読み込む際に HALionOne のインストゥルメントトラックを作成し、トラック内のプログラムチェンジ値に相当したプリセット音色を割り当ててくれます (デフォルト設定の場合)。

しかし、プログラムチェンジデータが複数存在し、途中で音色を切り替えているようなトラックを読み込む場合は、再生時に音色の切り替えができないので正しく再生できません。 まあ、多数のトラックが使える現在では途中で音色を切り替えるようなトラックの使い方はしないでしょうから、曲作りの際は問題にならないと思いますが、昔の SMF を読み込む時は注意が必要です。

(追記:ちなみに GM サウンドを選択したいときは、MediaBay のロジカルフィルターで「"GM Sound" >= 0」とすれば一覧表示されます)

プリセット音色

Cubase 5 には HALionOne のプリセット音色が多数付いてきますが、内訳は以下の通りです。

  • 名前の最後に「VX」がついているのは HALion ONE Expression Set 01 の音色で 14 あります。 後で紹介する VST エクスプレッション機能に対応しています。
  • 名前の最初に「SR」がついているのは Sonic Reality 社製の音色 (Sonic Reality OneSoundz Silver Edition) で 45 あります。 ドラム、ベース、ギター、アコースティックピアノという感じですが、VST Sound Collection のディスクに音色を簡単に紹介する PDF (「Sonic Reality OneSoundz Silver Edition.pdf」)が入っているので見てみると良いと思います。
  • 「Yamaha S90ES Piano」というプリセットは、ヤマハのハードウェアシンセ S90ES に搭載されたものと同等のピアノ音色です。
  • その他に 643音色 (GM 128 + GM Drum 7 + Studio Set 237 + Pro Set 271) あります。 この音色数はCubase 5 シリーズ比較表に載っています。 Cubase 4 の HALionOne 音色リストが公開されていますが、ざっとチェックした限りでは Cubase 5 も Cubase 4 と同じようです。

以上の合計で 703 音色となります。 と言いつつ、「プリセットの読み込み」時の MediaBay 上は707音色と表示され、若干数が違うのですが、まあ、あまり気にしないことにしましょう。 (細かく言うと先の公開されている音色リストの GM 分が 127 しかないのも気になったりします。)

700 という数は人によって感じ方が違うのでしょうが、私は昔の人なので十分過ぎると感じます。 別途購入している M1 の 3,000超、Wavestation の 1,500超と合わせてもうお腹いっぱいな感じです。 音色の内容についていうと HALionOne はエレクトリックピアノ系の音が充実しているのが嬉しいです。

VST エクスプレッション

VST エクスプレッションは Cubase 5 の新機能の一つなので、名前を見たことがある人は多いと思います。 鍵盤を持っている人ならば以下の手順でその効果をすぐに試すことができます。

  1. インストゥルメントトラックを作成する。
  2. 「VX」が最後についているトラックプリセットを選択する。 今回は「Tenor Sax VX」を選んでみました。
  3. メニュー「VSTエクスプレッションの設定」(図の音色名「Tenor Sax」のところをクリックするとメニューが表示されます) を選ぶ。
  4. ルートを調整してキーボードで弾ける範囲にする。 ここでは、私が所有する 61鍵キーボードの最低キーに合わせて「C1」に設定します。
  5. 左手で C1~E1 のキーで効果 (アーティキュレーション) を指定しながら、右手でフレーズを弾く。 うまく設定されていれば、図のように左側の三角が指定されたアーティキュレーション (ここでは「Growl」) を指してくれます。

いかがでしょう? Sax の「Growl」や Strings の 「Tremolo」あたりは自分で弾けない人にとってなかなか重宝する音だと思います。 それを一つの音色の中で通常の音と切り替えながら使うことができるのです。

オーケストラ系の音を使ってこういうのに凝りたい人は Cubase 5 に付属してきた HALion Symphonic Orchestra 16ビット版のトライアル版を試してみると良いと思います。 気に入れば正式なライセンスは 11,000 円前後でオンライン購入できます。

というわけで、HALion One についてまとめてみました。 Cubase のエントリが続いていますが、書いておかないとすぐに忘れて思い出せなくなってしまったりもするし、仕事は最近ネタになりそうな話が少ないので、もう少し続くかも知れません。

Groove Agent ONE を使ってパラアウト

MIDI トラック vs. インストゥルメントトラック

もともと MIDI シーケンサーとして Cubase を使い始めた私にとっては、最新版の Cubase 5 上で MIDI トラックを使うことは特別なことでないのですが、インストゥルメントトラックが存在する今となっては MIDI トラックよりもインストゥルメントトラックの方が広く使われているようです。 確かに VST インストゥルメントの設定と MIDI データを一箇所にまとめる方が管理はしやすいでしょう。

ただ、MIDI トラック (+インストゥルメントチャネル) でないと出来ないこともあります。 一番ありがちなのはリズム音源をパラアウト (マルチアウト) で鳴らしたいときです。 レコーディング時にはせめてスネア、バスドラ、その他 (ステレオミックス) 程度には出力を分けて音作りをしたくなりますよね? でも、ステレオ出力のみという制限があるインストゥルメントトラックではこれはできないのです。 こんな時は MIDI トラック+インストゥルメントチャネルを用います。

Groove Agent ONE を使ってパラアウト

では実際に Cubase 5 付属の VST インストゥルメントである Groove Agent ONE でスネア、バスドラ、その他を分けて出力するためのセットアップ方法を説明します。 Groove Agent ONE をインストゥルメントチャネルで用いると最大16個のステレオ出力を用いることができます。 以下の操作を行うと Groove Agent ONE (ステレオ×3出力) がアサインされた新しい MIDI トラックができます。

  • 「デバイス」-「VST インストゥルメント」を選択し、VST インストゥルメントウィンドウを表示します。 「no instrument」と表示されている部分をクリックし、「Groove Agent ONE」を選択します。
  • (デフォルトの環境設定のままであれば)「プラグイン "Groove Agent ONE" をアサインした MIDI トラックを作成しますか?」と聞かれるので「作成」を選択します。これで出力先が Groove Agent ONE に設定されたMIDI トラックが作成されます。
  • もう一度 VST インストゥルメントウィンドウを表示し、一番右のボタン (図中赤丸) をクリック、「GA One 2」、「GA One 3」にもチェックを入れます。
    これで計3つのステレオ出力が有効になりました。
  • Groove Agent ONE のプリセットの設定では全てのサンプルの Output は「ST1」になっていますが、スネアの Output を「ST2」に、バスドラの Output を「ST3」に設定します。これらは Groove Agent ONE のパネルで設定します。
  • ミキサーをみると GAOne 1~3 のチャンネルストリップが表示されているはずです。これでパラアウトの設定ができました。

ドラムマップの設定はインストゥルメントトラックの場合と同様にできます。 スネアやバスドラをそれぞれステレオで出すのはもったいないような気がしてしまいますが、そういうものだということで。

もしスネア、バスドラ等手持ちのサウンドファイルがあれば、MediaBay より Groove Agent ONE へドラッグ&ドロップすることで簡単にパッドに音色を割り当てることができます。 私はお気に入りのスネアのサウンドファイルを使ってゲートリバーブ (リバーブ+ゲートのシリアル接続) をかけたりしてます。 以前は LoopAZoid を使って同様のことをしていましたが、今は完全に Groove Agent ONE に置き換わりました。

Groove Agent ONE でマイドラムキットをつくろうとしている方はこちらの記事 (「Groove Agent ONE でマイキットをつくろう」) もどうぞ。

Cubase で生録演奏に同期するテンポトラックを作成する方法

オリジナル曲をバンドでやっていると既に録音されている演奏に追加パートを重ねてアレンジの試行錯誤をすることがあります。 例えば、ギター引き語りのデモ演奏にリズムパートを加えたり、スタジオ練習の録音に追加フレーズを足したり、というようなことです。

このようなときは Cubase を使って追加パートの様々なテイクを試すのですが、録音された演奏と小節のタイミングを合わせておかないといろいろと不便です。 このような場合に私は MIDI キーボードでテンポをタップしてテンポデータを作成しています。 VST5 ではヒットポイントという機能を使ってこれを行っていたのですが、コマンド体系の異なる Cubase 5 でも「タップテンポ情報とマージ」機能を使ってほぼ同じようなことが出来ました。 今回はこの方法を簡単にまとめます。

(追記:タップテンポ機能は Cubase 6 でも使用できます。また、Cubase 6 からの新機能のテンポ検出機能についてはこちらの記事をご覧ください。)

  1. まずは新規プロジェクトに素材となる音源をオーディオトラックとして読み込みます。「ファイル」-「読み込み」-「オーディオファイル」を実行します。
  2. 読み込んだパートの頭の余分なところをリサイズして削ってから、最初の拍が 1小節目の 1拍に来るようにパートを移動します。 (リサイズの操作は「入門マニュアル」の「チュートリアル2」参照) この段階ではテンポは合っていないので、スナップオフでリサイズしてから、スナップオンにして 1拍目を合わせます。
  3. MIDI トラックを作成し、リニアタイムベースに指定します。

    また、「プリカウント/クリック」を有効にした方が良いでしょう。
  4. 録音を開始し、音源のプレイバックに合わせて MIDI キーボード等をタップします。 タップの単位はテンポデータを作成するときに指定できるので、曲のテンポを考慮の上、やりやすい単位でタップすれば良いです。 アップテンポな曲ならば小節単位で十分だと思います。
  5. 多少のミスならば修正して使ってしまうのが時間の節約になると思います。 録音したタップ情報 (MIDI ノート) の一部を修正したい時は、インプレイスエディターを使ってオーディオトラックの波形を見ながら MIDI ノートの追加・削除等を行うのが良いでしょう。
  6. 後は MIDI トラックを選んで「MIDI」-「機能」-「タップテンポ情報とマージ」を実行するだけです。

MIDI 機器を持っている人にとっては、まず今回の方法でテンポデータを作成してしまい、必要に応じて「タイムワープツール」を使って微調整というのがお手軽なのではないかと思います。

初めての個人輸入 (Cubase 5 を audioMIDI.com で購入)

きっかけはアマゾン (JP) で妙に安価な Cubase のパッケージを見つけたことです。 国内正規代理店を通っていないので安価なわけですが、米アマゾンで Cubase 5 が $499 で売られているのを見てしまうと、いくら国内サポートがあるからと言っても 4万円ぐらいの価格差ってどうよ?、という気分になってしまいました。 実際のところ、代理店のサポートが無くても、My Steinberg に登録すれば、アップデートファイルの入手等は問題なくできそうです。

調べてみるとこの手のソフトを個人輸入している人は多いようで、いくつも事例が見つかります。 アマゾン (JP) で安い輸入版を買うという手もありますが、(恐らく間違ったのでしょうが) Education Edition を匂わす紹介文を出している業者もいたりして微妙な感じでした。 そんなこんなと好奇心が勝ったのもあって初めての個人輸入をすることにしました。ただし、通販サイトについては冒険はせず、事例が多く見つけられた audioMIDI.com で購入することにしました。

購入手続きはとても簡単でした。 カートに商品を入れ、「CHECK OUT」ボタンを押し支払&配送方法の指定をする程度のことです。 クレジット払いで配送は UPS の「UPS Worldwide ExpeditedSM」を選びました。

カード決済処理がしばらく「Unprocessed」だったので、心配になったのですが、しばらくすると「Completed」となりました。 後は配送の Tracking 情報を見ながら到着を待つことになります。

で、成田から東京に届くまでは順調だったのですが、その後問題が起こります。 UPS は土日の配送が無いのでした...

正確に言うと金曜のうちに連絡すれば土日配送もある程度対応できるとのことでしたが、金曜 18:30 を過ぎると土日の電話受付が無く、そのまま月曜まで待つことになります。 ということで平日受け取りは厳しいけれど UPS に配送を依頼することになってしまったという人は成田に着いたあたりでサービスセンターに連絡を取るのが良いと思います。

5/10 夜に注文して最初の自宅配送は 5/14 AM でした。 ちなみにかかった費用は以下の通りです。

Cubase 5 パッケージ       $499
UPS Worldwide ExpeditedSM $ 57.46
小計                      $556.46 = \52,772 (カード決済レート 94.84円/$)
関税                          \0
消費税+地方消費税        \1,300 (CIF $299.39、レート 93.81円/$)
総計 \54,072

何かあったら英語でやり取りしなければならないというのがありますが、「国際宅配便であれば通関手続きを業者が代行してくれ、思っていたよりもかなり手軽に海外通販ができる」というのは大きな発見でした。

ちなみに大幅下落したのでチャンスかもと思ったユーロですが、 Steinberg おひざ元のドイツでは Cubase 5 は 700~540 ユーロ程度で売られていて魅力的には見えません。 Steinberg やその親会社ヤマハの本国より安く売っているのは「さすがアメリカ」というところでしょうか。


追記 (2012.12)

輸入版は国内スタインバーグバージョンアップセンターでバージョンアップ対応してもらえないとの情報が出回っています。 このあたりの施策は仕方ないですね。 というわけで、個人輸入や Amazon で輸入版を買うのはおすすめしません。 (さらに追記: 2ちゃん関連スレ、直リンで購入できるとかできないとか)