VST プラグインのパラメータをコントロールしよう
M-Audio UC-33e を使った Cubase 5 のリモートコントロールについて2回目の今回は、VST プラグインのパラメータをリモートコントロールする方法についてまとめます。 VST シンセの演奏中にフィルターカットオフをいじったりだとか、VST エフェクトの歪具合を変えたりだとかしたい時にどうすれば良いかを説明します。
パラメータを割り当ててコントロール
(インストゥルメントトラックではなく) VST インストゥルメントチャンネルとして設定すると「デバイス設定」の「一般リモートデバイス」で VST インストゥルメントのパラメータを呼び出せる様になります。
図は Prologue を設定した場合の例です。
ただし、このやり方には欠点があります。
プロジェクトごとに使うインストゥルメントは異なると思いますが、この「一般リモートデバイス」の設定はプロジェクトごとにするものではありません。 設定が面倒ですし、昔のバージョンで使っていた時は何かの拍子で設定したパラメータが正しく認識されなくなって使えなくなったりもしました。 そもそも VST エフェクトプラグインのパラメータはこの方法で操作することができません。
というわけで、VST プラグインのコントロールにはこの方法よりも次で説明する「トラッククイックコントロール」機能の方がお勧めです。
トラックのクイックコントロール
トラッククイックコントロール機能を用いると、選択トラックの最大8つまでのパラメータをリモートコントローラーで操作できます。 早速やってみましょう。
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「デバイス設定」ダイアログの「リモートデバイス」-「クイックコントロール」のところの MIDI 入出力に UC-33 が設定されているのを確認します。
コントロールのアサインはデフォルトのままで UC-33e プリセット 1番のフェーダー 8本を使ってコントロールできるようになっています。
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インスペクターのクイックコントロールのところで割り当てたいパラメータを選択します。
図は HALionOne のインストゥルメントトラックでカットオフとレゾナンスをいじれるように設定しているところです。
- トラックを選択して、UC-33e のフェーダーをいじるとパラメータを変化させることができます。
FXチャンネルトラックで同様のことをすれば、エフェクトパラメータをコントローラーで変化させることができます。
ただし、前回説明した「一般リモートデバイス」の設定を行ったままでこれをやると、ミキシングのコントロールも同時に行われてしまいます。
これを回避するには「一般リモートデバイス」の MIDI 入力を「未接続」にするか、何もコントロールを割り当てていないバンクを作成して選んでおくようにします。
プラグインのパラメータをいじりたいときと、ミキシングのコントロールを行いたいときは別工程の様に思うので、UC-33e を「一般リモートデバイス」で使用するか「クイックコントロール」で使用するかを切り替えながら使えば良いと思います。
その他
最後にリモートコントロールについて気になるところを挙げておきます。
パンでセンターが出ない
UC-33e のツマミではパンのセンター設定をすることができません。
コントロールチェンジは 0~127 の 128段階、Cubase のパンの設定は L、L99 ~ L1、C、R1 ~ R99、R の 201段階なので、UC-33e のツマミのコントロールで全てのパン設定を網羅できるわけではないのです。
コントロールチェンジの真ん中付近の値は 63 や 64 ですが、これらは L1、R1 に対応し、C に対応する値は無いのでツマミでセンター設定ができないということなのです。
実用上は R1/L1 と C の設定を聴き比べてわかるわけでもないでしょうし、それでもやはりセンターという場合はそのときだけ Ctrl+マウスクリックすればよいのですが、気になると言えば気になります。
やはり高価なコントローラはそれなりの理由がある
高価なコントロールサーフェスは Cubase からの情報で位置を変えるフェーダーやノブを持っていたりします。
UC-33e の場合はフェーダーやノブが動いたら情報を送るだけという一方通行のコミュニケーションなので、その差は歴然としてあると思います。
まあ、私にとっては UC-33e で十分ですが、人によっては「やはり Mackie」という人もいるだろうと思います。
Mackie までは行かなくともスライダーやノブがついた MIDI コントローラー/シンセを持っている人はそれなりにいると思います。 今回の記事がそんな方々のセットアップの役に立てばと思います。
2011.5.20 追記
最近安価なコントロールサーフェス専用機は無いような気がするのですが、コントロールサーフェスとしても使える ZOOM R16 あたりは魅力的に見えます。