Enigma (M-AUDIO Software Editor/Librarian) を使ってみよう!

M-AUDIO より MIDI コントローラーを設定するための Enigma というソフトウェアが提供されています。 UC-33e の設定のために Enigma を使ったのでその手順を簡単にメモしておきます。 他のコントローラーでも同様の操作で設定出来るはずです。

  1. まずは自分用の Preset Bank を作成します。 「File」-「New User Preset Bank」
  2. 「Devices and Files」に新しく作成された Bank をダブルクリックして好きな名前をつけます。 とりあえず「My Preset」にしました。
    Bank List
  3. 一からデータを作っても良いですが、既にある Bank を元につくるのがよいと思うので、元データをコピーします。 「Devices and Files」に最初からある「UC-33e」をクリックします。 下の「Presets」に表示された任意の Preset データを「Devices and Files」の「My Preset」へドラッグ&ドロップします。
  4. さてここまで出来たら次は編集です。 右下の以下のボタンを押して ControlEdit Window を開きます。
    Button
  5. UC-33e の図より設定を行いたいボタン/フェーダー/ツマミを選択し、ControlEdit Window で必要な設定を行います。
    Editor
    ちなみに図上でツマミからツマミへドラッグ&ドロップして設定をスワップすることができます。 設定のコピーならばこれを Ctrl キーを押しながら実施します。
  6. 最後に「File」-「Save」でデータを保存し、「Send to Device」でデータを UC-33e に転送します。 ちなみに「Upload to Device」ならばその Bank の変更部分のみが UC-33e に送られるようです。

UC-33e の場合、Enigma が使用できれば後は「RECALL」と「PRESETS 1~4」あたりのボタンが使えればとりあえず用が足りるのでは無いでしょうか?

あと、ディスプレイの見方ですが、通常は以下のように最後に触ったボタン/フェーダー/ツマミの設定が表示されます。 下の表示は 1番のフェーダーにコントロールチェンジ (CC) 7 が設定されていることを示しています。 フェーダーを動かすと送出した CC のパラメータ値が表示され、しばらくすると元の表示に戻ります。

display

「RECALL」か「STORE」を押すと下のように現在選んでいる Preset 番号が数秒間表示されます。 Preset 番号が表示されている間に数値を入力すれば、Recall や Store が実行されます。

display

こんな感じで MIDI の知識があれば UC-33e を使うのは結構簡単だと思います。 UC-33e ではコントロールチェンジ以外にもボタン/フェーダー/ツマミに割り当て可能なデータはありますので、興味があればマニュアルをダウンロードして見てみると良いと思います。

やっぱりマウスよりツマミやボタンが良いです (UC-33e)

リニューアル後のシリーズのバージョンが既に 5 まで行ってしまった Cubase ですが、私はまだ 2000年発売の Cubase VST 5 を使っているわけです。 同じ5がついていて紛らわしいですが、これらは別物です。

しかも最近いろんな機能を使い始めています。 「KORG Legacy Collection – DIGITAL EDITION」を買ったあたりからソフトウェアシンセ・エフェクト中心でやるのもアリかな、と思えるようになったというのがそうなった理由の一つです。 PC のスペックが昔と比べ物にならないほど向上しストレスを感じない、というのもあると思います。

そんな状況で物欲が向いた先は MIDI コントロールサーフェス (MIDI コントローラー) です。

一口に MIDI コントローラーと言っても色々な製品が出ています。 勝手にこれらを分類すると以下のようになると思います。 (「MIDI コントローラー」って言葉の括りは大きいよ、と言いたいだけなのであまり突っ込まないように)

  • キーボード系 (鍵盤付き)
  • パッド系 (叩くためのもの)
  • DJ 系 (ターンテーブル付き)
  • DAW 系 (ミキシングとトランスポートコントロール中心)
  • その他楽器系 (ギターシンセやウィンドシンセ用コントローラー)

私は自分の使っている WavestationDX7II のタッチが好きだし、DTM 用 MIDI コントローラーの鍵盤の質がそれに勝るとも思えないので、鍵盤は不要です。 そこで DAW 系コントローラーについて調べてみると「Mackie Control」がデファクトスタンダードの様ですが、個人でお手軽に買えるようなラインナップは無い様です。

UC-33e

自分の想定する価格、機能に見合うものは少なく結局購入したのは M-AUDIO (Evolution) の UC-33e です。 こういうスタイルでこの価格帯のものってあんまりないんですよね。 国内メーカーのものは鍵盤付きばかりで、他に見つかったのは BEHRINGER 製ぐらいです。

で、UC-33e を導入して使っているわけですが、やはり買ってよかったです。 ミキサーや EQ の操作が楽になったというのはありますが、何よりも VST インストゥルメントの操作です。 VST 5 付属のアナログシミュレーションシンセ JX16 や CS40 のコントロールを UC-33e で行って、フィルターをいじりながら演奏すると楽しいです。 これでもうアナログタイプのシンセを買おうという気は起こらないでしょう。

...オマケのソフトで満たされる程度の物欲だったわけですね。

ASIO 対応の安価なカードを探すも、結局 UA-1EX を購入

サウンドカードが壊れたので、買い換えなければならなかったのですが、結局 Roland UA-1EX を購入しました。 どうせならばと ASIO (「アジオ」と読むらしい) 対応のカードを探したのですが、一万円以下で例えば Creative 製のものを探しても明確に ASIO 対応と謳われたものが見当たりませんでした。

ならばやはり楽器メーカーかと思い、 UA-101 を使っていることもあり、Roland 製のエントリーレベルのものが良いかと考えました。 故障したカードの置き換えなので、外付けの UA-1EX は最初どうかと思ったのですが、電源が USB 供給なので許容範囲としました。 逆にノートパソコンにも使えてよいかも知れませんが、基本的にシーケンサーソフト (今では「DAW」ですね) を使う場合は UA-101 を使用するので、今のところメインのデスクトップパソコンの普段使い用として固定的に使っています。

音質については満足です。 外付けだからというのもあるかも知れませんがノイズが少ないし、同じディスプレイ (MDT191S) 内蔵のスピーカーを使っても以前より出てくる音がよくなっているのが聞き取れます。 このスピーカーでも違いがわかるのか、という感じ。 ちなみに故障したカードは Sound Blaster シリーズの PCI カードでした。

MIDI 出力や音源がついていないことについては割り切っているので気になりませんが、一応付属ソフトとして Virtual Sound Canvas がついています。 SC-55 とか一時期流行っていたのを思い出しますね。 買いませんでしたが。

新製品として UA-1G というのが今月発売されるようですが、これから買うならこちらということになるのかも知れません。

Amazon は画像や価格が見やすいし、レビューも集まっているので貼っていますが、3/17 現在で妙に値段が高いので、楽天のリンクも下に用意しておきます。 ちなみに私は UA-1EX を昨年 12月に Amazon で購入しましたが、そのときは一万円もしませんでした。

Legacy Collection – Digital Edition 使用感 (2/2)

前回に引き続き KORG Legacy Collection – Digital Edition の使用感です。 今回は気になる点を書いてみます。

まず、当てが外れたのは、ハードシンセ→ソフトシンセの音色インポートは可能ですが、ソフトシンセ→ハードシンセのエクスポートができないことです。

パラメータが増えているのはわかりますが、既存パラメータのみでエクスポートできる機能があるととてもありがたいです。 今更オプションカード/ディスクの入手はできないし、これがあるだけでハードウェア M1 シリーズ/Wavestation 所有者にとっての購入動機となると思います。 ファイルコンバータを Web 上で探しましたが見つからないので、やるなら自分でということのようです…

続いてですが、プリセット音色についての情報がもう少し欲しいところです。

ソフトウェア Wavestation の RAM ~ ROM の音色は Wavestation SR の配列と同じですが、これらの音色を説明する SR 版「パフォーマンスノート」がインストール CD 内に PDF 化されて入っているので参照すると良いと思います。 見たところ CD に含まれる音色ガイドはこれだけのようですが、Wavestation 本体だけでなく、各オプションカードにも同様のパフォーマンスノートがついていて、音色選択やプレー時の参考としたものでした。 M1 でも同様だったはずです。 パフォーマンスノートに書かれているのは各音色1行程度の簡単な説明ですが参考になるので、全ての音色について電子化してアクセスできるようにして欲しいところです。

Legacy Collection はプリセット音色数が膨大で、まずはそれを選択して使うという使い方になってしまうと思います。 確かに ソフトウェア M1 については音色をカテゴリ指定でサーチする機能があってそれはそれで良いのですが、サウンドを作った人の意図というのも大事だと思うのです。

最後ですが、MDE-X でキーボードでもパラメータ入力ができるようにして欲しいです。 例えばディレイタイムなどは緻密に設定したくなるパラメータですが、マウス操作では辛いものがあります。

気になる点をいくつか挙げましたが、全体としては満足しています。 価格を考えると買いだと思いますが、私は「あの M1 と Wavestation が!」という世代なのでその辺は割り引いてください。 また、Analog Edition は買わないと思います。 アレはやっぱり実際にツマミがたくさんあるところが良いと思うので、マウス操作というのは違うような気がしてしまうのです。 USB コントローラのツマミを使うならば、いっそのことハードウェアシンセの方が良いと感じますし。


2008. 8. 29
SR 版パフォーマンスノートについては KORG サイトよりダウンロードしなくてもインストールメディアに含まれているので記述を訂正しました。


2011.5.22 追記
現在はパッケージ版の販売は終了し単品ごとのダウンロード販売のみになっています。 また、USB キーは不要となり、ライセンスコードを発行する形となっています。

Legacy Collection – Digital Edition 使用感 (1/2)

前回は Cubase VST 5 と一緒に使うための設定の話で終わってしまいましたが、今回は KORG Legacy Collection – Digital Edition の使用感です。 私は Wavestaion EX を所有していますが、M1 はスタジオに置いてあるものを触ったことがある程度です。 いずれも PERFORMANCE/COMBINATION を組むことはしましたが PATCH/PROGRAM のエディットは微調整程度です。 (一番音作りをしたシンセは FM 音源なのです)

また、これまでソフトシンセについては Cubase VST 付属のものを Cubase と共に使う程度でした。 今回は単体売りしているソフトシンセ、しかも所有機器がソフトウェア化されたものということで、ハードウェアバージョンと比較しての使い勝手が気になります。

ソフトシンセでまず気になるのはレイテンシーです。 私のオーディオインターフェイスは EDIROL UA-101 で ASIO 対応しています。 まずは我が家で最高スペックの VAIO type L (Core2 Duo T7250:2GHz, 2GB memory, Windows Vista) で使うことにします。 UA-101 のデフォルトのセッティングでは 17ms (Cubase での表示。以下同じ) で、このときはアタックの速いピアノ等では明らかに発音が遅れているのがわかります。 そこで、UA-101 の設定の「オーディオ入出力バッファ・サイズ」を最小にすると、レイテンシーは 4ms になります。 これならば発音の遅れは気になりません。 しかし、何かの拍子でノイズが発生してしまいます。

この VAIO は特に音楽専用という状態にはなっておらず、買ってきた状態からソフトを追加することはあっても削除することはしていません。 ですので、不要な Windows サービスを止めるなど PC をチューニングすれば、ノイズの発生は抑えられるかも知れません。 ただ、今回はライブパフォーマンス用ではなく、Cubase の中で使用する目的なのでバッファサイズを最小値から増やしても良いと思っています。UA-101 のデフォルト値、「17ms」は弾いている本人ならばわかりますが、聞いている方にはわからないレベルだと思うので、Cubase 用と割り切ればこの設定もありだと思います。

また、CPU 負荷ですが、この VAIO で使っている限り全く問題ないレベル (Cubase のパフォーマンスメーターで 10%前後) です。 音楽専用機にしている ThinkPad R40e (Celeron 1.7GHz, 1GB memory, Windows XP) でも動かしてみましたが、こちらは 1パートを両手で弾いていると Cubase のパフォーマンスメーターで 30% ~ 50% という状況で、複数パートに使うのは難しいし、ヴォイシングも少ない音で構成する工夫が必要です。

音については文句はありません。 確かに Wavestation、M1 の音がしますし、Wavestation ならばジョイスティックでの音色変化も同じです。 膨大なサウンドライブラリーがついてくるので、(良いか悪いかはさておき) エディットなしでも十分に使うことができそうです。

パソコンとオーディオインターフェイスのみで作業が完結できるのはやはり気分的に楽です。 ただ、ライブに用いるには PC よりもハードウェアシンセの方が何倍も信頼性が高いと感じるし、取り扱いも楽だと感じるのでこれからもハードウェアシンセを手放すことは無いでしょう。 特に Wavestation はライブでのマスターキーボードとしての使用まで考えてパラメータが構成されているので複雑なセッティングになっても大丈夫という安心感があるし、シーケンサー等の余分な機能がないので扱い易いし、コントローラー類 (ピッチベンダー等) も私好みだし、という感じなのです。

次回は使用していて気になる点をまとめます。

Cubase パラレルポート用ドングルと KORG USB キーの関係

先日惹かれていると書いていた KORG Legacy Collection – Digital Editionですが、やっぱり物欲に勝てず買ってしまいました。 この内容で 15,000円程度ですからね。

ところで、私は Cubase VST 5 (かなり昔のバージョンの Cubase) を使っているわけですが、これはパラレルポートにつけるドングルがついてきます。 で、最初はわかっていなかったのですが、この Cubase のコピープロテクト用モジュールも Legacy Collection と同じ Syncrosoft 社製のようです。 あまり気にせずに Legacy Collection をインストールしたら Cubase のライセンスが認識されなくなりました。 こちらの Steinberg の情報だと Syncrosoft 製 License Control Center は Version 5.0.2.4 が USB とパラレルの両方をサポートする最後のバージョンとのことです。 Legacy Collection はこれより新しいものを使っており、パラレルポートに接続したドングルが認識されなくなるようです。 結局以下の手順でインストールするとうまくいきました。

  1. Legacy Collection をインストールします。 現在出荷されているメディアは Version 1.2 ですが、最新版は Version 1.3.1 なので、インストール用 CD は用いずに、KORG USER NET からダウンロードした SETUP.EXE を実行してインストールします。
  2. コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」を使って「Syncrosoft License Control」をアンインストールし、PC をリブートします。
  3. 先のページから辿れる License Control Center version 5.0.2.4 をダウンロードし、インストールします。 インストール時はパラレルポート用ドングルをつけておき、ライセンス表示の後の画面で「Install the drivers for the LPT protection Device」を選択します。
  4. License Control Center のインストール完了後は PC をリブートします。

ここまででパラレルも USB もライセンスが認識されるようになります。 もし、パラレル用ドングルが認識されなかったら、先のページにある通り、コマンドラインから "/o" オプションをつけてインストーラを起動してみるとうまくいくかも知れません。

ここでやめても良いのですが、私はさらに Cubase VST 5 のライセンスを USB キーに移してしまいました。 やりかたは簡単で License Control Center の「Wizards」メニューより「License Transfer」を選択し、Cubase のライセンスを選択するだけです。 注意すべき点は以下の通りです。

  • VST 5 の青のドングルならばオッケー。それ以前の赤いドングルは NG。
  • USB キーに一度移したらパラレル用ドングルに戻すことはできない。
  • ライセンスを移すときはインターネット接続が必要。

これでパラレルポートが不要になり、また最新の License Control Center を用いることができます。 USB キーが故障したときにどうやってサポートが受けるのかという問題がありますが、消えつつあるパラレルポートに縛られる必要がなくなったので、まだまだ Cubase VST 5 を使い続けることができそうです。

物欲とどめ:UA-101

さてさて物欲シリーズの最後を飾るのは USB オーディオ・インターフェイスの UA-101 です。アウトボードのエフェクターをいくつか持っているので Cubase VST 付属の (チャチい?) プラグインだけでなくこれらも活用したい、とするとパラで出力をだせるインターフェイスが必要だ、と思い立ったのでした。昔は手が届かなかったけど時代は変わっているかも、と思い調べてみると 10 in/10 out でも手が届く価格のインターフェイスが売られているではないですか! このスペックでこの値段になっていたとは…。というわけで UA-101 を買ってしまいました。

動作環境に注意が必要で Windows 2000 だと 2ch までしか使えず、USB 2.0 を用いてフルスペックで使うには Windows XP でなければなりません。せっかくCubase 専用の 2000 を XP と別ドライブにインストールしていたのに、結局意味がなくなってしまいました。

また、ThinkPad R40e の USB は 1.1 なので CardBus の USB 2.0 インターフェイスも購入しなければなりませんでした。NEC Enhanced Host Controller を使っているインターフェース・カードがメーカー推奨とのことなので、μPD720101を使っているラトックシステムの REX-CBU2X を購入しました。

今のところまだ同時出力は 6ch 程度までしか使っていませんが、不満は全くありません。
新しいラケットはあきらめないとなあ…