最近鉄道模型ブームのようです。例えばこんな記事& Podcast
が出されたり、会社の昼食でゴルフしか知らない上司の口から「鉄道模型」という単語が出てきちゃったりするぐらいにブームです。
このブームの一端を担っているのが「昭和の『鉄道模型』をつくる」だと思いますが、これについて思うことを書いてみます。
結局私は購入していませんが、企画としては見るべきところもあると思うわけでその辺りを整理し、購入するか見送るか悩んでいる方に向けての参考意見としたいと思うのです。
まず「昭和の『鉄道模型』をつくる」は、
を対象にしているのは明らかだと思います。
私はここから外れてしまっているので魅力を感じないのですが、これに当てはまる方々から見ると思わず買ってしまうのではないでしょうか?
「昭和の『鉄道模型』をつくる」の何が良いかというと以下の2点でしょう。
- 何を揃えればよいか悩む必要なく、とにかく買ってきた (届いた) 物を組み立てていればそのうち立派なレイアウトが完成する
- 簡単な工作ですむ手軽さ。何と言っても塗装済みのストラクチャー類は初心者にとって重要
特に最近は完成されたレイアウトがいい値段で売っていたりするので、そのようなことを考えると費用的にも納得できる範囲ではあると思います。
さてそれでも私は買わなかったわけですが、購入に至らなかったのは以下のような理由によるものです。
- ちと価格が高いように思う。既にいろいろな物を揃えているので、同じ費用を出すならばもっと有効な使い方ができそう。
- 私にとって思い入れのある風景は、昭和といっても昭和 50 ~ 60年代で、113系や 183系、DD51 の引く貨物列車が走るような風景。
このレイアウトではカーブの半径がキツくこれらの車両は走らせることができないだろうし、そもそも1両で走って見栄えのする車両はほとんどない。
Bトレのためにこれを作るのもどうかと。
- 道路、歩道が街並みコレクションのものをそのまま使ってつぎはぎなのはちといただけない
まあ、私は対象読者からは外れていると思うので縁がなかったというところでしょう。
では初心者が「昭和の『鉄道模型』をつくる」ではなく、独自にレイアウトを製作することを考えてみるとどうなるでしょうか?
本来最初にレール&コントローラーを TOMIX 製で揃えるか KATO 製にするかという大問題を考えなければならないのですが、これは宗教論争になってしまうので、簡単のため TOMIX 製品、トミーテック製品を中心に製作する場合を考えて見ます。
- 「昭和の『鉄道模型』をつくる」に付属する建物の原型となる「街並みコレクション」ですが、確かに「昭和の『鉄道模型』をつくる」と比べると定価は安いです。しかし「街並みコレクション」はブラインド販売なわけで売切れてしまっているシリーズも多く、望むものが安価に入手できると限らないということを肝に銘じておくべきです。
- (ブラインド販売でなく) 普通に販売されているストラクチャー類も多数揃っていますが、「街並みコレクション」と合わせて使うとそのままでは違和感があることが多いと思います。
色調を揃えて思ったイメージに近づけるには塗装工程が必須となりますが、塗装は手間&費用がかかります。
塗料をそろえなければならないし、やはりエアーブラシも欲しいところですね。
- コントローラーは一度買ったらそうそう買い換えないので、腰を据えて取り組むつもりならば電源容量の大きいもの選んでおいた方が良いでしょう。
そうでないと電車の編成に室内灯を装備して走らせてみたくなったとき困ることになります。
値は張りますが、トミックスならば N-1000-CL <品番:5502> を買っておきたいところです。
(「昭和の『鉄道模型』をつくる」の特製コントローラーの電源容量はそう大きくないでしょうね。)
- 台枠はレイアウトボード <品番:8011> 等既製品も販売されていますし、東急ハンズ等で木材を寸法を指定して切ってもらえば作るのもさほど手間はかかりません。
こうして考えると何だかんだとそれなりの出費になってしまうし、手間もかかってしまう気がします。
毎週届くというプレッシャーがないと工作が滞ってしまう可能性もあります。
それでも自分の思い描いた自分だけのレイアウトを作ることができるでしょうし、趣味として続けていくのであれば工作や塗装の道具はいつか必要となるものなので、無駄にはなりません。
とは言ってもこれらのモロモロを考えるとやはり手を出すのを躊躇してしまうでしょうから、初心者にとって「昭和の『鉄道模型』をつくる」のお手軽さはやはり魅力的に見えますね。
私としては鉄道模型に触れる人が増えて、世間一般に鉄道模型が普通の趣味という認識が定着してゆけばそれでよいのですが。
おまけ1
私は TOMIX のレールも KATO のレールも持っていてコントローラー (パワーユニット/パワーパック) もそれぞれ1つずつ所有しています。複線にすると2つコントローラーが必要なわけで、こんな変換ケーブルを作って対処しています。
おまけ2
ここからたどることができる「昭和の『鉄道模型』をつくる」のプロモーションビデオの最後で「鉄道模型」をキーワードにして検索するよう呼びかけています。
まさかと思って Google & Yahoo で検索してみると「昭和の『鉄道模型』をつくる」は案の定ずっと下の方に出てきました。
「鉄道模型」という単語にこの手法は無理なような気がしますが…
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