「めざせ TOEIC 860」シリーズ 2回目の今回はポッドキャストを使った学習について詳しく書いてみます。 記事の対象読者を 1回目のエントリで確認してからご覧ください。
狙い
大学に入れる程度の英語力をつけていればそれなりに語彙も文法力もあるはずです。 それなのに大抵の人は、ネイティブが自然に話すスピードでは知っているはずの単語を聞きとることができません。 なので、ひたすらこの部分を強化するのです。
この部分が強化できれば、英語学習という意味でもだいぶ楽になります。 語学力向上を主目的としなくても、自分の興味あるニュースや動画を英語で聞くことで無理なく英語力をつけられるようになるのです。
ポッドキャスト選びのポイント
後ほど自分のお勧めを挙げますが、以下のポイントを満たしていれば好きなもので良いと思います。
- 英語のみのポッドキャストを選ぶ
- 必ずしも語学用ポッドキャストである必要はありませんが、語学用を選ぶならば英語スクリプト+英語解説のものにします。 英語のスクリプト+日本語の解説というようなものは避けます。 日本語の解説の方が長いポッドキャストを聞いてもリスニング力向上という点では時間の無駄です。
- スピードの速いものを選ぶ
- 最初は厳しいと思いますが、できるだけネイティブが話す速度に近いものが良いでしょう。
- 時間が短めのものを選ぶ
- 通勤/通学の片道で少なくとも2回は繰り返しができるものの方が良いです。 講演などは長くなりがちなのでお勧めしません。 英語ポッドキャストとしてよく TED Talks がお勧めとして挙がりますが、このエントリで紹介するスタイルで聴くにはちょっと重いです。 特に最初の頃は 5分以内がお勧めです。
- 週に数回程度更新されるものを選ぶ
- 英語ポッドキャストを聞き始めてすぐの頃はほとんど聞き取れなくて辛いかも知れません。 かといってそのエピソードが聞き取れるまで次に進まず頑張る、というようなことをすると更に辛くなって投げ出してしまうと思います。 そうでなく、全く聞き取れなかったとしてもそのエピソードは古くなって iPod から削除される、そして気分を入れ替えて次のエピソード、というやり方をします。 週数回~毎日1回程度の頻度で更新があるポッドキャストを選んでおきます。
聴き方
続いて聴き方のポイントです。
- 完璧に聞き取ろうとしない
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いくら多くの単語を覚えたところで、実際には知らない単語は必ず出てきます。 大事なのは TOEIC 試験に使われる全ての単語を覚えることでなく、わからない単語が出てきても意味を推測しながら先を聴き進めることです。 わからない単語が出てきたところで止まってしまうような聴き方ではいつまでたってもスコアは伸びません。
未知の単語入りの文を聴き進めるには、単語の区切りがわかりその品詞を推測できるようになることが重要です。 聴く時間を積み重ねればそれは自然とできるようになります。
- 最新 3エピソードのみ持ち歩く
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持ち歩くエピソードは最新 3話とします。 1日 1回更新の Podcast でも 3日間聴くことができます。 繰り返し聴く期間はこの位がちょうど良いように思います。
持ち歩いている間は何度も聴きますが、例え全部が理解できなかったとしても古いものは iPod から消えるようにしておきます。 ちなみにこの使い方をするには WALKMAN の機能は微妙なので iPod を使うのが良いです。
- 余裕があるときだけ補習
- 余裕があれば、わからなかった単語を調べたり聞き取った文章を書き写したりします。 これを毎回やろうとすると続かなくなるので、本当に余裕があったときだけ行います。 私の場合、気になった単語を辞書で引いたり、(CNN News Update を購読していたので) 気になったニュースを CNN サイトでチェックする程度でした。
お勧め Podcast
自分が使っているからというのもありますが、私がお勧めするのは CNN News Updateです。 理由を挙げます。
- やはりアナウンサーのしゃべりは聞き取りやすい。
- 1話が 2分程度で通勤時間に何回でも聞ける。
- 複数のアナウンサーが担当し、更にニュース内容によって様々なスピーカーやインタービューイーの話が聞け、複数の人のしゃべりを聞くことができる。
- 日本にとって重要な国であるアメリカで何がニュースとなっているか知ることができる。
リスニング力の目安
というわけで私は CNN News を中心に聴いたのですが、どのような段階を踏んで力がついていったかを書いてみます。
- 第1段階
- 「CNN Radio, I’m ○○」までは聞き取れるけど、その後がさっぱりわからない。 とりあえず聞いていると突然ニュースが終わってしまった。 どこが話題の区切りかさっぱりわからない。
- 第2段階
- 聞き取れる単語が増えてくる。 聞き取ったいくつかの単語から、 CNN.com のサイトを見てこの記事について言ってたんじゃないかな?と推測できるようになる。
- 第3段階
- 何についてしゃべっているかが朧気ながらわかることが増えてくる。 特に天気についてしゃべっているときはそれがわかる。
- 第4段階
- 何についてしゃべっているかはほぼわかるようになり、話題の区切りがわかるようになる。 単語の区切りも大体わかるような気がするけど意味が取れない語が多く、詳細を今一つ把握できない。
- 第5段階
- だいぶ意味がわかるようになり、調子が良ければその話題について完璧に聞き取れることもある。 知らない単語はそれなり出てくるけれどそれの品詞は推測することができるようになり、聞いたことがない名称もそれが人名/地名だとわかるようになる。
第5段階が今の私なので、ここまでくれば 800点台を取れるはずです。
今回のまとめ
繰り返しになりますが、とにかく続けることが大事です。 1週間程度で目に見えて力が上がるというものではないので、最初は我慢が必要かも知れませんが、数か月単位で見れば必ず少しずつ力がついてゆきます。 先に書いた私の辿った各段階と見比べながら進めていただければと思います。
今回紹介した学習法からはやや外れますが、English as a Second Language Podcast も良いと思います。 特に一つの単語を様々な言い換えを使って説明してくれるのでその単語の持つニュアンスがよくわかります。 無償の Podcast 購読に加えて、有料会員となって Learning Guide をダウンロードすることもできます。 ただし、しゃべるスピードが遅いので、別の Podcast と組み合わせるべきだと思います。
通勤/通学の電車の中で携帯電話を使ってスロットゲームをするぐらいならば英語ポッドキャストを聴きましょう。 今日からさっそく iTunes で subscribe してみましょう (CNN 関連 Podcast はこちら)。
「めざせ TOEIC 860」シリーズは次回で完結予定です。