いや本当に 450円のアプリケーションとは思えないです。 DAW を始めてみたいという初心者にお勧めできるし、作曲用ツールとしても良いと思います。
もちろんいつも使っている Cubase と比べてしまうと出来ないことは多い (というか比較してはいけない) のですが、その分シンプルで気楽に使えます。
この 3月のアップデート (iOS用 バージョン 1.2) でピアノロール画面での編集やバウンス録音もできるようになっています。
以下、自分が使ってみて気になった点です。
- クオンタイズは録音時に指定。後からかけることはできない。
- Apple Loops の種類は豊富で、テンポの変化に対応しグローバルなキー設定でトランスポーズされるけど、小節ごとにキーを変えることはできない。
- MIDI ファイルでエクスポートすることができない。
- ベースアンプシミュレーターがない。
コンピュータ用 DAW ソフトとの連携という点では、iTunes ライブラリに GarageBand 形式として書き出せば Mac の GarageBand や Logic でデータを開くことができます。 他の DAW ソフトで使うにはオーディオファイルとして書き出したものを読み込むしかないです。
これらの制限があっても作曲用として使うには十分ではないでしょうか。 私の場合、どうしても通常の DAW ソフト (Cubase) だと気軽に起動して使う、という感じにはなりません。 iPad Camera Connection Kit を購入して Keystation Mini 32 (私も使ってます) 等のミニ鍵盤やオーディオインターフェイスを使ったり、iRig 等でギターを録音するような使い方もできますが、コンピュータの前に座るよりもずっと気楽に作業に向かえるように思えます。 気軽に演奏を録音して曲にするという使い方には PC より向いているように思えるのです。
また、初心者用としてもお勧めできます。 最初からフルスペックの DAW 環境を揃えるにはお金もかかり勇気が必要ですが、iPad + GarageBand であればちょっと試してみたいという人にピッタリです。 それで本格的にやってみたくなったら、そこからお金をかけて環境を作って行けばよいと思います。 順当に行くと Logic 使いになるのでしょう。
他にはドローバーつきのオルガン (レズリースピーカーが回ってます!) とかギターアンプシミュレーターとかも楽しいので、iPad 使いで音楽制作関係のソフトを探しているということならば、まず入れてみる価値のあるソフトだと思います。 こういうのが 450円で売っているんだからスマホ向け開発は儲からないんだろうなあ…。
録音に用いる小物についてはこちらの記事にまとめました。