MIDI コントローラーを使いこなせ!

今回は Cubase のクイックコントロール機能の紹介です。 以前も MIDI コントローラーに関するエントリを書きましたが、「一般リモートデバイス」として UC-33e という MIDI サーフェスを登録する方法についての説明でした。 しかし、最近 (個人的な感覚ですw) の Cubase ではクイックコントロールという機能が装備され、VST シンセの音色いじり等の用途では最大 8つのパラメータをコントロールすることができるこのクイックコントロール機能で十分です。 お手軽に使えるので使ってみましょう。

デバイスの登録

まず、デバイス設定画面でコントローラー使うための設定を行います。 「デバイス」-「デバイス設定」で画面を開き左のツリーより「トラッククイックコントロール」を選択します。

まずはじめに、USB などで PC に直接接続しているコントローラーであれば「MIDI 入力」は「All MIDI Inputs」ではなく個々のコントローラーを選んでおきましょう。

続いて個々のコントロール (ツマミ、フェーダー等) のアサインです。 「学習」をチェックした後、割り当てたいコントロール (QuickControl1 ~ 8 のどれか) を選択してからコントローラーのツマミを操作すると送られた信号より MIDI コントロールチェンジ番号を認識してくれます。 登録したいコントロールの数だけ設定を行います。

Quick Control

Cubase 7.5 より「トラックコントロール」の他に「VST クイックコントロール」も存在しています。 VST クイックコントロールの使い方については後ほど説明します。 ツマミが少ない人はトラッククイックコントロールの方だけ設定しておけばよいと思いますが、余裕があれば VST クイックコントロールの方にも設定しておきましょう。 私の例だと、UC-33e の 8本のスライダーをトラッククイックコントロール、8個のツマミを VST クイックコントロールに割り当てて使っていたりします。

コントローラーを「All MIDI Inputs」から外す

クイックコントロール用として指定したコントローラーからの信号が余計なところに流れて副作用を起こさないように「All MIDI Inputs」から外しておきます。 これはデバイス設定の「MIDI ポートの設定」で行います。

Quick Control

トラッククイックコントロールの操作

トラッククイックコントロールで設定した MIDI コントローラーを使って選択されているトラックに信号を送ることができます。 どのパラメーターが操作されるかは、インスペクターのクイックコントロールタブで指定することができます。

Quick Control

クイックコントロールの設定はトラックプリセットとして保存できる他、上図のようにクイックコントロールのみのプリセットとしても保存できます。

VST クイックコントロールの操作

Cubase 7.5 より VST インストゥルメントの画面 (ラック画面) が変更になっているのですが、VST クイックコントロールを使ってこのラック内で選択した VST インストゥルメントを操作できます。 選択されているインストゥルメントは右下のアイコンが橙になっています。 このアイコンを直接クリックしたり、ヘッダ部分の上下矢印アイコンを使うことで選択を変更することができます。

Quick Control

コントローラーの選び方

最近はツマミがたくさんついていて DAW ソフトウェアとの親和性も高い MIDI キーボードがあるのでそれで十分な気がしますが、もし私が新たに独立したコントローラーを買うのであれば以下の点を気にします。

  • 演奏時にシンセの音色をいじれるだけの数のツマミ (4つぐらいでも十分な気が…)
  • 省スペース
  • トランスポート (録音、再生、etc) 操作は PC キーボードのショートカットで行えば十分なので不要。 Cubase iC Pro のような選択肢もありますしね。

ということを考えると、まさに純正クイックコントロール用 CMC-QC なんて良いのではないでしょうか。 Native Instruments が最近出したキーボードも気にはなります。

まあ、私の場合は今使っているものが壊れなければ買うことはないでしょうが。

更なる情報

興味がある方は公式ビデオが存在するので、是非見ておいてください。 インストゥルメントトラックの拡張についても説明されています。

未だに日本語の字幕がついていないようなので、こちらの記事もどうぞ。

iPhone の無料アプリで耳コピ

耳コピについては以前もいろいろ書きましたが、今回は「THR Session」というヤマハ製 iOS 用アプリの紹介です。 ざっと特徴を書いてみます。

  • ギター/ベースパートの抽出機能とキャンセル機能がある
  • テンポを 100% ~ 50% の範囲で設定可
  • ピッチを半音単位で最大全音上下できる
  • A-B 間リピート機能

ピッチ変更の機能が弱い気がしますが (ベースはオクターブ上げとかしたくなるかも知れないので)、耳コピ用の再生ツールとして基本的な機能は備えています。 何といっても THR のアンプの方を買っていなくてもこのアプリは無料で使用できることが最大の特長でしょう。

ただし、再生専用です。 つまり、iOS 機器用音声インターフェイスを使ってギター入力を iPhone で受けることはできません。 エレキギター (ベース) を合わせて演奏するには iPhone からの出力とギター出力をミックスするための機器が必要です。 もちろんヤマハのお勧めは THR アンプと組み合わせて使うことです!

また、対応機種に含まれていないので、iPad では使えないようです。

THR Session

操作はこちらサイトの「特長」の詳細を見れば大体わかるのですが、音源は音楽ライブラリの中から選ぶことになるので iTunes を使って iPhone に取り込んでおきます。 トグルボタンを右に倒せば抽出 (耳コピ) モード、左に倒せばキャンセル (カラオケ) モードとなります。 ベースの場合は下部右から 2つめのアイコンをタップして「BASS MODE」を選択し、トグルボタンを右に倒すだけで耳コピ作業に入れます。

ギターの場合は拾う (キャンセルする) 音域を「GUITAR HIGH MODE」、「GUITAR LOW MODE」のどちらかに選択します。 また、アンプキャビネットに現れる楕円の範囲を指定することでどのパン位置の音を拾うかを設定できます。

楽器を弾きながら耳コピする場合はパソコンよりも iPhone ぐらいのデバイスの方がやりやすいという人も多いと思うので、興味があれば是非試してみてください。

ヘッドホンアンプと Cubase の Control Room

きっかけは安価なヘッドホンアンプ付き雑誌が目に付いたことだったのですが、Cubase の Control Room 機能を使おうと思い立ちました。 自分で演奏する人はわかってくれると思いますが、ミックスのバランスを演奏のときだけ変えたくなることがあると思います。 そんなときに Control Room 機能を使えばメインミックスは残したままそれと独立してモニター音のバランスを設定することができるのです。 その分出力を複数用意しなければなりませんが、ヘッドホンアンプを追加すればヘッドホンを差し替えて使えると思ったのです。

またしても Behringer

結局雑誌を購入するのではなく、AMP800 というヘッドホンアンプを買ってしまいました。 先の記事に引き続きまたもや Behringer 製品です。 この AMP800 は 2系統 (A, B) のステレオ入力をもっています。 4つのヘッドフォン出力は A と B のどちらの音を聞くかそれぞれスイッチで選択することができます。

AMP800 and UA-101

HA400 という安価な製品もあるのですが、私は UA-101 という 10IN/10OUT のオーディオインターフェイスを持っているのでどうせなら入力を 2系統持っている方がよいと思い AMP800 を選びました。 UA-101 の OUT の方はエフェクトセンドぐらいしか使い道がなく、それすらも最近は使ってない状況だったのですが、これで有効活用できます。

AMP800 にゴム足はついていないので、重ねておくときは 100均で売ってたりする耐震マット (粘着マット) を使うとよいです。 写真にも写ってますね。

設定は結構簡単

さて Control Room 機能の設定ですが、思ったよりも簡単でした。 使用するためにはまず VST コネクションを設定します。

  1. VST コネクションのスタジオタブを表示し、「Control Room」を有効化します (電源ボタンアイコン)
  2. ヘッドホンモニター用出力として「キュー」を 2系統追加します。
  3. メイン出力として「モニター」を 1系統追加します。通常の出力 (最初からある「Stereo Out」) は使いません。
  4. それぞれオーディオインターフェイスの適切なポートを設定します。

私の場合は以下の図の様になりました。

VST Connection

1+2 はこれまでと同様メインミックスの出力ですが、新たに 5+6 と 7+8 を AMP800 への出力としたのです。

使ってみよう

まずは MixConsole 画面で以下の図のように「キューセンド」ラック (左上) と「Control Room」ミキサー (右) を表示します。 Control Room ミキサーではそれぞれの出力に何を出すか選べますが、下の図ではキュー1、キュー2 はそれぞれのキュー出力とクリック音を聞くことができます (右上部)。 メイン出力は図ではメインミックスが選択されていますが、キュー1、キュー2 の音に切り替えることもできます (右下部)。

MixConsole

とここまで来て思ったのですが、VST コネクションの設定でキュー出力に物理ポートをアサインしなくてもこの Mix/キュー1/キュー2 ボタンで切り替えて使えば十分 (=ヘッドホンアンプ買わなくても良かった) なような気がしてきました。 もう買っちゃったので深く考えないことにします。

キューミックスは左上部にある CUES と表示されている部分のスライダーで調整しますが、下図のようにコンテキスト (右クリック) メニューを選ぶことでメインミックスのバランスを使って初期化することもできます。

Cue Send Menu

公式のチュートリアル動画もあるので参考にしてみてください。 英語が苦手でも日本語字幕を表示することができますよ!

Cubase iC Pro を使っている方は以下のように設定画面で「Switch View」の設定をモニターする Cue Mix にすることで iPad を使ってモニターバランスを調整することができます。

Cubase iC Pro

Control Room 機能は使ってみるとなかなか便利です。

Behringer の安いミキサー、ちゃんとしてるんですけど…

最近 WordPress 関連ブログっぽくなっていますが、そういうわけではありません。 音楽機材もいろいろ買ったりしてるので紹介していきます。 今回は Behringer XENYX 802 というミキサーです。 今まで Boss の BX-16 というミキサーを使っていましたが、もう少しコンパクトなものが欲しくなったのです。

Behringer 安っ!

この Behringer XENYX 802 は 8ch ミキサーです。 最近は円安なので価格が上昇しているようですが、私が昨年買ったときは 4千円弱でした。 ソフトウェアプラグイン関連のバーゲンセールを良く見かけましたが、ソフトだけでなくハードウェアも気が付いたらこんなに安くなっていたのですね…。

XENYX 802
XENYX 802

安くてもちゃんとしてるよ

簡単に仕様を紹介します。

  • 1ch、2ch はフォーンプラグだけでなく XLR コネクター (ファントム電源付き!) にも対応
  • 3ch/4ch と 5ch/6ch はそれぞれステレオ入力として扱われます
  • 1 ~ 6ch は EQ 装備
  • 1系統のエフェクト SEND/RETURN あり。この RETURN を入れて計 8ch なので 8ch ミキサーと謳われています
  • その他に CD 等再生用として外部入力ステレオ 1系統あり
  • 出力はメイン、Control Room、CD/tape の計ステレオ 3つ

何というか「この値段でこれだけの機能が手に入るのかぁ!」といった感じです。 ノイズなどが気になることもないですし、強いて言えば LED の電源ランプが妙に明るいのが気になる程度です。 それと私はパワーサプライを使っているので気にしないのですが、電源スイッチはありません。

しっかしモデルがたくさんあるなあ

「では、ちょっと Behringer のミキサーを買ってみるか」と思ったときにハードルになるのが種類の多さです。 私の場合は以下のように考え XENYX 802 に落ち着きました。

  • USB インターフェイス付き (型番末尾 USB) やエフェクト付き (型番末尾 FX) のモデルもありますが、それらの機能は不要
  • XENYX 502 だと入力が足りず、最後は XENYX 1002 と 802 で悩みましたが、8ch あれば足りるので EQ 機能を優先しました

細かくチェックしたい人はメーカーサイトからマニュアルをダウンロードすると良いと思います。 少なくとも XENYX 802 や 1002 については日本語版マニュアルも提供されています。

Amazon のレビューでは発熱やぐらつきというのを見かけたこともありますが、少なくとも私のものは気になりません。 とても満足して使っております。