私が Native Instruments 製 KOMPLETE 7 を買った理由の一つである Guitar RIG 4 Pro についてまとめます。 Guitar RIG 4 Pro はギタリスト/ベーシストのためのエフェクトプロセッサーのオールインワンパッケージです。 アンプシミュレーション機能がメインになるとは思いますが、単に「アンプシミュレーター」と呼ぶにはもったいないほど多彩な機能を持っています。
モデルとなっているアンプ
シミュレートされているアンプは以下の通りです。 (出典: 英語版 Wikipedia、リットーミュージックの記事他。 私はギターアンプの各モデルについては詳しくないのでまとめ方が今一つかも知れません。)
アンプ | Guitar RIG 内の名称 |
---|---|
Marshall JCM800 Lead | Lead 800 |
Marshall JCM800 | Jump |
Marshall 1959 SLP | Plex |
Marshall JMP-45 | Hot Plex |
Marshall Plexi | Cool Plex |
Fender Twin Reverb | Twang Reverb |
Fender Tweed Deluxe | Tweed Delight |
Fender Bassman | Tweedman |
Roland Jazz Chorus-120 | Jazz Amp |
Vox AC30 | AC Box |
Bogner Überschall | Ultrasonic |
Orange Overdrive OD120 | Citrus |
Hiwatt DR-103 | High White |
Mesa/Boogie Dual Rectifier | Gratifier |
ちなみに無償版の Guitar RIG 4 Player で使えるアンプは「Jump」のみです。
個々のアンプの再現具合をあれこれ言えるほど私はギタリストとしての経験がありません。 ただ言えるのは、私のようなリアルアンプ累積使用時間の少ないギタリストにとって、家であれこれアンプセッティングを試すことができるのは大きいです。 社会人アマチュア・バンドではスタジオの中でアンプの音作りを詰めていける程余裕はないわけで、家でスタジオ機材と同じパラメータをいじったり、メーカの異なるアンプをあれこれ切り替えてみたりとできるのはとても助かるのです。 練習スタジオで全く同じ音が出るとは限らないでしょうが、セッティングの方向性はつかめるはずです。
アンプを選んだらキャビネットをどうするかも考えねばなりません。 私などはデフォルトのキャビネット (Matched Cabinet) を使えば十分なのですが、やろうと思えばキャビネットを選択してマイクの種類と置き方を細かく選ぶこともできます (Cabinets & Mics) し、あるいは決められた配置の複数のマイク出力をミックスして音作りすることもできます (Control Room)。
英語版 Wikipedia ではアンプだけでなくマイクやエフェクターの実モデル名もリストアップされているので参考にすると良いと思います。 コンパクトエフェクターはラックの棚にコンパクトエフェクターが置かれているグラフィックの方が良いかとも思いましたが、きっと操作し辛くなりますね、はい。
ギターヒーロー目指して
結構驚いたのが Guitar RIG 4 Pro は単なるエフェクトの集まりというわけでなく、練習用の機能も充実していたことです。
変拍子でアクセントをどこに入れるか指定できるメトロノームをはじめ、MP3 等の練習用音源再生機能、録音機能もあり、再生についてはテンポチェンジ、トランスポーズ、チューニングが可能です。 区間指定リピート再生も可能で、EQ やフィルターと組み合わせれば耳コピ用再生機としても十分使えそうです。
音源録音・再生用の TAPEDECK は PRE と POST の2つがあります。 例えば PRE のデッキで練習用 MP3 音源を流し、それに合わせて演奏したものを POST のデッキで録音するという使い方ができます。
PRE と POST でできることが若干異なり、テンポチェンジやトランスポーズが可能なのは PRE の方のみなので、練習用音源再生はこちらで行います。 このとき、音源にエフェクトをかけないように「PLAY AT OUTPUT」に設定しておきましょう。
オーディオ信号のルーティング
Guitar RIG 4 Pro では「Split」や「Crossover Mix」というコンポーネントを使ってオーディオ信号を2系統に振り分けて個別に音作りすることができます。 前者は単純な振り分け (同一信号 or 入力チャンネル別)、後者は音声の高域と低域での振り分けです。 更にこれらはネストして複数配置することも可能です。
先のエントリでお気に入りとして紹介した「Big Monster」というパッチではこの Split を使って2系統の音作りを行いパンを振ってステレオ感を出しています。
Split で「STEREO INPUT L/R SPLIT」を有効化し、 L チャンネルにギター、 R チャンネルにボーカルマイクを接続すれば、それぞれ独立したエフェクトをかけた弾き語り演奏を録音するという様なことがこのソフトウェアのみで出来てしまいます。
まとめ
というわけで Guitar RIG 4 Pro の凄さがわかっていただけたでしょうか? 興味があればまずは無償版の Guitar RIG 4 Player をダウンロードするという手もあります。 KOMPLETE 7 はこれぐらいの内容のソフトが他にもゴロゴロ入っているようなのですが、少しずつ使いこなせる製品を広げていくのが吉かなと思う今日この頃です。