前に英語学習に関連するエントリーをいくつか書きましたが、大きなメッセージとして「100% を目指さない」ということをお伝えしてきました。 「知らない単語をなくすこと」、「すべて聞き取れるようにすること」というようなところを目指すのではなく、100% でなくてもやりとりを通して意思疎通ができるようになればそれで十分でないかと。
自分がそう思うようになったのは、アジアの英語に接する機会があったからかも知れません。 彼らの英語はときどき英語に聞こえないことがあります。 が、彼らは全くそれを気にしないし、むしろ堂々と話します。 それを見ていると我々のしゃべる英語が Japanese-English (Janglish) と呼ばれようが気にする必要はないように思えるのです。
まあ、その辺の話は前にも書いているのでそこまでにして、今回の話はその隣にある「英語教材のリスニング用音源の発音は綺麗過ぎる」という問題についてです。 英会話の実践の場ではアジアの英語が電話の向こうから聞こえてくるような場面が多いわけで、いくらアナウンサーがしゃべる英語を聞き込んでいてもなかなか厳しいものがあるわけです。 特に顕著なのがインド人相手の場合で、彼らはたいてい早口で、油断していると全く英語に聞こえなくなってしまうのです。 IT 関連の仕事をしているとインド人の英語を聞く機会は多いので、何とかしたいと思っていました。
というわけで、この「インド英語のリスニング」をアマゾンで見つけたときは「待っていました!」という感じでした。 このような本が出版されるということは、同じように感じている人が一定数いたのだと思います。
本の内容について簡単に触れます、 Part 1 で「インド英語概説」としてインド国内の言語状況や教育についてまとめられおり、Part 3 の「インド英語表現集」もありますが、メインはあくまでも Part 2 (+ CD) の「インド英語のリスニング」、すなわち音源+英会話スクリプトとその解説の部分です。 ボリューム的にも Part 1 と Part 3 はそれぞれ 20ページ程度で残りは Part 2 です。
収録された会話は実践的な場面を想定したもので以下の 4つのパートに分類されています。
- インドへ出発・到着
- ビジネス編
- 生活編
- 観光編
実践の場だともっと早口だよなあ、とは思いますが、それでもこれだけヒンディー語が混ざっているとやはり聞き取りは辛いです。 「Accha, accha!」と言われても「あちゃー…」という感じでしょうか (親父ギャグ)。
実践を想定しているため、全てインド人と日本人の会話になっています。 ですので半分が日本人のしゃべる英語なのですが、ここはインド人同士の会話も増やしてインド英語の割合を増やして欲しかったと思います。 それでも、速さにしてもボリュームにしてもインド英語に慣れるためには十分でしょう。 これでは不十分と言えるレベルであればインターネット上にいくらでも音源を見つけることができると思います。
念のため書いておきますが、TOEIC 対策としては全く意味がありませんw