先のエントリで書いたように HALionOne はプログラムチェンジに反応しません。 ですので、GM 音色を持つ標準 VSTi が HALionOne しかない Cubase では、スタンダード MIDI ファイルを読み込む動作の初期設定は、 MIDI ファイル内の (最初の) プログラムチェンジ値に応じた HALionOne のプリセットをアサインしたトラックを Cuase が作成するという動作になっています。
今回のエントリはその読み込み動作では満足せず、スタンダード MIDI ファイルを Cubase で再生するときは手持ちの外部音源を使いたい、そのために必要なマルチイン/マルチアウトのオーディオインターフェイスも持っている、という (奇特な?) 人向けの設定手順です。 Cubase 5 では外部音源も必要な設定を行えば VST インストゥルメントと全く同様に扱うことができます。
読み込み前の設定
このあたりはマニュアルを読めばわかると思うので簡単に済ませます。 (オペレーションマニュアルの「VSTの接続:入出力バスの設定」の章の「外部インストゥルメント/エフェクト」と「MIDI デバイス」の章あたりです)
- 「MIDI デバイスマネージャー」で MIDI デバイスを追加します。 手持ちの MIDI 音源の型番が見当たらなくても「GM Device」があるので問題ないでしょう。 GS がなくて「XG Device」があるのはやはりヤマハ子会社の Steinberg という感じですが、よく見ると「SC-88 Pro」等があったりします。
- 「VST コネクション」で 1. の MIDI デバイスと関連付けした外部インストゥルメントを追加します。 2チャンネル分のオーディオ入力を外部 MIDI 音源のために使うことになります。 オーディオ録音をしない人は 2イン/2アウトのオーディオインターフェイスを使うというのもありかも知れませんが、外部インストゥルメント/エフェクトを使い始めるとやはりマルチイン/マルチアウトのものが欲しくなりますね。
- 「環境設定」の「MIDI」-「MIDI ファイル」で「インストゥルメントトラックに読み込む」のチェックをはずします。 これで MIDI ファイルを読み込んだ時は HALionOne のインストゥルメントトラックではなく、MIDI トラックとして読み込まれるようになります。
MIDI ファイルの読み込み
- 再生したいスタンダード MIDI ファイルを読み込みます。 MIDI ファイルを読み込む際に「新規プロジェクトを作成しますか?」と聞かれた場合は「作成」と答えます。 新規プロジェクトとして読み込まないとテンポ (と他にもあるかも) が反映されません。
- 「VST インストゥルメント」ウィンドウを操作して先程作成した外部インストゥルメントを追加します。 簡単に言えば VSTi のラックに表示させるということです。
- 読み込んだ各 MIDI トラックの出力先を MIDI デバイスマネージャーで設定した MIDI デバイスにします。 このように複数のトラックの MIDI 出力先に同じデバイスを設定することが可能です。 ここで Tips ですが、読み込んだ全ての MIDI トラックを選択して、Shift + Alt (Mac は Option らしい) を押しながら出力先を切り替えると複数の出力先を一度に変更することができます。
まあ、別に GM 対応の VSTi を持っていてそれで間に合うのであれば全然かまわないし、そもそも「今更 GM やら MIDI ファイル再生が必要か?」という話もあるかも知れません。 ただ「GM 音源として」というのは使い道の一つでしかなくて、Cubase 5 使いで自分の使ってきたハードウェアシンセの音に愛着がある人はマルチイン/マルチアウトのインターフェイスを手に入れると幸せになれるのではないかと思います。
とりあえず自分の使っているUA-101をお勧めしておきます。 IEEE 1394 版の FA-101 とか、足りるならば6イン/6アウトの FA-66 等も良いと思います。