TOMIX vs. KATO という宗教論争

国内Nゲージについてみると2大メーカーは TOMIX と KATO ということになると思います。これには大多数の人が同意してくれるのではないでしょうか。 ところが「鉄道模型始めるにあたって『トミックス』と『カトー』のどっち買ったらよい?」と聞かれると合理的な理由をつけてどちらか片方を勧めるのは難しいように思います(なので先日のエントリではあえてこの問題には触れませんでした)。結局自分の事例を参考に当事者に判断してもらうしかないのではないかと。というわけで今回は鉄道模型初心者を対象にして TOMIX と KATO について個人的に比較してみます。

レール
ファイントラック (TOMIX) とユニトラック (KATO) を比べると、種類の豊富さではやはりファイントラックが勝っています。ただ、子供と遊ぶにはユニトラックの方ががっちりしていて良いです。集合式レイアウトをつくる時もコネクタごとジョイナーの交換ができるユニトラックの方が良いように思います。ファイントラックだと金属部分しか交換できないんですよね。あまり考慮する必要はないかも知れませんが、ユニトラックの方はフレキシブルレールとの相性も良いようです。 私の場合、TOMIX の線路を 20年以上前から使っているのですが、最近買ったものは子供と遊ぶためにユニトラックが多いです。

パワーユニット/パワーパック
コントローラについてはレールと同じメーカーのものを購入することになります。そうそう買い換えるものではないので、長く続けるつもりならば最初から大容量のものを買うのがお勧めです。TOMIX で大容量のものを選ぼうとすると N-1000-CL (税込み定価 10,290円、走行用 1.2A) になってしまいますが、KATO ならば「パワーパックスタンダードS」(税込み定価 4,725円) でも走行用の電流は 1A で十分な出力です。 常点灯機能でこの価格差を正当化できるかというと無理な気がしますね。私の場合、両社のレールを持っていることもあって N-1000-CL と「パワーパックスタンダードS」を1台ずつ持っていて、複線で使う場合は自作変換ケーブルを用います。ちなみに TOMIX に関しては旧式の交流ポイント用に昔のパワーパックも持っていたりします。

ストラクチャー (建物等)
ストラクチャー関係は好みでしょうね。メーカーを揃えなければならないものでもありません。KATO のジオタウンはお座敷運転中心の人には魅力的かも知れませんが、私は道路を買ったことはありません。駅舎やプラットホームはレールと同じメーカーに合わせた方が良いでしょう。一時期は KATO の方が見栄えが良かった時期もありましたが、TOMIX 製も新製品やリニューアルした製品ならば見劣りしません。私の場合、若干 TOMIX 製が多いですね。街並みコレクションの類を入れると圧倒的にトミーテック製が多いです… 街コレ類はそれ以前のストラクチャーの価格と比べると安価なので、ついつい手を出してしまいます。

車両
レールやコントローラーが他社製であっても走らせることができるので、車両に関しては本当に好みです。TOMIX の方はインレタで車番が選べたりしますが、貼るのが面倒ではあります。私の場合、TOMIX の方は全体的に高価なので所有車両は KATO の方が多いです (最近は価格差が小さくなってきているようですが) 。機関車ならば TOMIX 製でも買いやすい気がします。コンテナ貨車は TOMIX 製が中心ですね。

ちょっと先の話
DCC に行くならば KATO の方が移行しやすいでしょうね。TOMIX にはサウンドシステムやら車載カメラシステム、自動運転システムがあります。 自動信号や自動踏切はどちらにもありますね。 最初からこのあたりに手を出せる人は少ないでしょうが、いつの日かを夢見てメーカーを選ぶのも良いと思います。これらは私にとっても未知の領域です。

その他
ちょっと外れて食玩系車両のことを考えると、昔はBトレ+ KATO 動力車が中心でしたが、鉄道コレクションが出てからは TOMIX もミニカーブレール等小レイアウト用のレールや駅舎を出してかなり力を入れていますね。個人的にはなじみのない車両の鉄コレより身近な車両のBトレの方が好きですが、基本的にこの手の車両は買いません。昔子供用にBトレを買ったのですが、きちんとした尺の車両が連なった長い編成を見てしまうと結局「父さんの!」と言ってBトレでなくそちらを走らせたがってしまうのです。

というような感じでやはりどちらとも言い様がない内容になってしまいましたねぇ。結局好みの問題でどちらのメーカーを中心にしても大きく後悔することはないと思います。