ブリッジタイプの無線 LAN アクセスポイント WLAE-AG300N/V2 を購入

自宅の無線環境整備のために Buffalo の WLAE-AG300N/V2 を購入しました。 大きな声では言えないのですが、今時 802.11b + WEP という構成を続けるのはさすがにどうかと思い、重い腰を上げたのでした。

ところでこの機器について Amazon のレビューを見るとどちらかというと設定に苦戦するケースの方が多いようで、購入するには不安になるようなレビューが並んでいます。 実際やってみると確かにセットアップガイドだけではわかりづらく、作業手順にコツが必要なものの、最終的にはセットアップは問題なくできました。 今回はこの WLAE-AG300N/V2 のセットアップについて書きたいと思います。

1. 製品ラインナップ

まず最初にわからなかったのはその製品ラインアップです。 WLAE-AG300N/V2 は WLAE-AG300N/V の 2台セットなのですが、WLAE-AG300N/V と WLAE-AG300N のパッケージの違いがわかりませんでした。 この2つは一緒に入っている LAN ケーブルの数が違うのだそうです。 一応パソコン関連用途とデジタル家電用途という違いもあるそうですが、あまり意味があるように思えません。 というわけでパソコン用途でも 2台使用するならば割安な WLAE-AG300N/V2 で良いと思います。

2. とりあえず使うには

この 2台の間で通信ができればよいという方は、「らくらく!セットアップシート」に従って片方ずつ電源を入れるだけで使えるので、そのまま使えばよいです。 電源投入時は LAN ケーブルがつながっていなくても問題ありませんでした。 下手に AOSS ボタンやリセットボタンを押したり、管理画面で設定しようとするとかえってハマってしまいがちなので、そのまま使うのがお勧めです。

初回電源投入後は以下のようになります。

  • 一方が親機 (先に電源を入れた方?)、他方が子機
  • SSID は親機の MAC アドレス
  • IP アドレスは DHCP
  • 802.11a/n

初期設定では管理画面のパスワードが設定されていない状態ですが無線は暗号化されており、セキュリティーキー (機器ごとに固有に初期設定された 13文字) がわからなければ、無線で管理画面にアクセスされることはないので、それはそれでアリだと思います。 (管理画面へのアクセスは HTTP なので盗聴される恐れがあるような状況ではパスワードを設定してもほとんど意味がありません)

3. 設定して使うには

設定して使うにはまず「エアステーション設定ツール」を PC にインストールします。 これを使って WLAE-AG300N/V を見つけるには、以下のいずれかである必要があります。

  • 設定に使用する PC と WLAE-AG300N/V が LAN ケーブルで接続されている
  • 設定に使用する PC に SSID とセキュリティキーを設定して WLAE-AG300N/V と無線通信が可能な状態となっている

このどちらかでないと設定ツールを起動しても「無線親機が見つかりませんでした。」というエラーとなってしまいます。 ただし、いずれの場合も見つける段階では PC と WLAE-AG300N/V の IP アドレスはどうでも良く、L2 レベルで接続していればオッケーです。

無線経由で設定しようとした場合に問題となるのが 802.11b や 802.11g (2.4GHz) を使う PC です。 2. で書いたように初回電源投入後の WLAE-AG300N/V は 802.11n/a (5GHz) を使っている状態でそのままでは WLAE-AG300N/V を見つけることができません。 ということもあって設定は PC - WLAE-AG300N/V 間を LAN ケーブルで接続して行うのがお勧めです。

続いて設定画面をブラウザで表示することになるわけですが、この段階では IP 通信ができなければならず、PC と WLAE-AG300N/V のアドレスを適切に設定しなければなりません。 初回電源投入後は WLAE-AG300N/V の DHCP クライアントが有効になっており、サーバーがないと Microsoft の APIPA (169.254.*.* のアドレス) が割り当てられるのですが、設定変更を実施すると WLAE-AG300N/V が再起動し別のアドレスに変わったりします。

というわけで DHCP サーバの無い環境では、まず WLAE-AG300N/V に固定 IP アドレスを設定します。 IP 通信が可能な状態となれば後はブラウザを用いて HTTP で WLAE-AG300N/V にアクセスし、設定変更を行うだけです。

ポイントとなる設定項目のみ簡単に。 802.11b/g の PC を使用するのであれば「無線チャンネル」を「自動[11n/g/b のみ]」と設定します。 セキュリティの設定は mixed mode なんて言わずに WPA2 + AES と指定しておいた方が良いと思います。 子機の方は「エアステーション間接続」で「子機」に設定した後は「11n/a/g/b」の「無線機能」を使用しないようにしてもかまいません。 その他の設定はキリがないので割愛します。

4. リセットボタン

リセットボタンを押すと以下の設定となります。

  • IP アドレスは 192.168.11.100
  • SSID はそれぞれの機器の MAC アドレス

つまり初回電源投入後の状態とリセットボタンを押した後の状態は異なるということです。 「はじめにお読みください」の出荷時設定は後者の内容を指しているので注意が必要です。 リセット直後は 2台の間で通信ができないため、続いて AOSS ボタンによる自動設定かマニュアル設定を行わなければなりません。 AOSS による設定がうまく行けば初回電源投入後の状態と同じになるようです。

5. まとめ

AOSS という設定自動化の仕組みを持っているということもあって、セットアップガイドの内容も簡単になっていますが、その結果それを読んだだけでは機器の動作がよくわからず、細かく手動設定を行いたい場合は試行錯誤が必要、という状況になっている気がします。 ただ、設定画面を使えるようにさえなれば製品自体は使いやすいブリッジタイプの無線機器だと思います。 この記事がハマっている/これからハマる方々の参考になればと思います。