「国家の罠」


私の読んだノンフィクションの中では一番面白かったです。


検察とのやりとりが出色で、よくもまあ独房暮らしを強いられているにも関わらず信念を曲げずに検察とつばぜり合いをすることができたものだと関心します。一番印象に残るのは「時代のけじめとしての国策捜査」があって、「逮捕されたのは運が悪かったとしかいえない」とのくだり。一般人には理解しがたい理屈ですが、一般人が国策捜査の対象になることもないのでしょう。国策捜査の対象になりえるのは「その道の第一人者」とのことなので。


この本を読み終わる頃に折りしもライブドアに強制捜査が入って、「ひょっとしてこれが国策捜査か…」と感慨深くなったものです。ライブドアの件はまだ進行中で全貌が良くわからないですが、後にホリエモンが本を書いたらどんな話になるのでしょう。何となく、この「国家の罠」ほど面白くはならないと思います。「外交」の世界が垣間見え、「検察」がどのような組織かがわかる、そんな本です。